第二十一話
音無響助は、今日は色々おかしかったなあ。と、振り返っていた。
まさか、あんな物からあんなことになるなんて。
そういえば、あの便せんどこにやったっけ?
まあ、鞄の中にでも入っているだろう。
初めてだった。
母親とは小さい頃にしたことがあるし、罰ゲームで男同士でさせられたことはあった。本当にあの時は地獄を見た気がした。異性と確実に認識できる者とのキスは初めてだった。柔らかかったし、温かかった。思い出す度に顔が綻んでしまう。
しかし、地球のために戦うとはどういうことなのだろうか?
京香のことはそんなに詳しくないが、そんな電波な発言をするとは思えないし、思いたくない。ということは、あれは何だったのだろうか。
包装紙に包まれた小さな箱が目に入る。
ああ、明日は心の誕生日だな。と思い、響助は眠りについた。
初音心は泣いていた。
何故だかわからないが、涙が出てきた。
とにかく泣きたかったのかも知れない。
頭の中がぐちゃぐちゃだった。
現実を直視したくなかった。
現実から逃げたしたくなった。
でも何故?わからない。
本当にどうして涙が出てくるのだろう。
本当はわかっているのだ。
本当は、本当は、本当は。
響助先輩のことが。
大好きなのだ。