第十三話
明日は初音心の誕生日だ。
岩田龍一と初音心は打ち合わせていた。
「初めは三人で帰る体にした後で、二人で帰るように、私がいなくなるってのはどう?」
「いいですね、そうしましょう!ありがとうございます、先輩」
「明日が楽しみね、心ちゃん」
「はい、先輩!」
そして、打ち合わせ通りにことは進んでいた。
初音心は響助に言われた通り校門で待つことにした。
誰もいない廊下。
きれいに掃除された廊下を進んでいく。
ほこりの無い階段を降りていくと、目の先に小さなピンクの便せんが落ちていた。
心の脳裏には響助の独り言がよぎった。一瞬にして様々な思考が頭を巡った。
それを拾ってはいけない。
それを見てはいけない。
そう頭では思いつつも勝手に手が伸びていた。そして、それを拾い上げ、開いてみる。そして、声に出して読んでしまった。
「部活が終わったあと、体育館裏に来てください」
いったいこれはどういうことなのか、理解できなかった。
理解したくなかった。
これではまるで誰かが響助先輩に告白するみたいではないか。
ダレカににとられてしまう?
先輩を?
そんなの絶対に嫌だ。
嫌だ。
しかし、邪魔をする権利もない。しかし、気になってしまう。どうしたらいいのだろうか。頭の中がぐちゃぐちゃになった。
けれど、一つだけ確実にわかることがあった。
「体育館裏で何かが起こる」
そう思うと心の足は体育館裏に向かっていた。