45.ホットライン?-今日の一番の問題が、これから話すことなのだよ-
全46話です
明日(10/9)の第46話でこの巻は完結になります。読んでくださって本当にありがとうございます!
続いて、同じく明日(10/9)に次作である「レイドライバー 20 -会談前夜-」を寄稿したいと思います
次話の前書きと後書きにリンクを貼っておきます、引き続き読んでくださればとても嬉しいです!
そして、以前に書きましたがレイドライバーシリーズは全22巻で完結となります
もしよろしければ最後までお付き合いくださるととても嬉しいです!
カズが一通り拿捕した機体の分析に付き合っていたのが約四日ほど。そこから研究所に戻ってトリシャやクリスたちの仕上がりを見届けて、雑務を処理していた時の話である。
「所長はアルカテイルには戻られないのですか?」
アイザックが書類を片手に所長室を訪ねてくる。彼にしてみれは殆どいない上司がこの場にいる今のうちにすり合わせを行っておこう、そう考えてのことだろう。あくまでもこの研究所はカズの意向に従って動く。それを決定するのが最高責任者であるカズなのだから。
逆を返せば、だからこそこの場からカズは、今は動けなかったりするのである。それは所長と隊長、二足の草鞋を履くものとしては仕方のない話だ。
「向こうにはゼロゼロがいますから。実働の隊長機として働いてくれるでしょう。それよりも今は次に繋げる[種]を撒かないと」
例の三名の話である。それもあるが、第四期生の話もある。今から一年、二年と先を見なければならない。それをするのも上の人間の仕事である。
そんなカズに、
「確かに。でも無理だけはしないでくださいね。倒れたのもつい先日の話なのですから」
カズが倒れたのも、ここ研究所だ。そしてカズは正規パイロットとしての素質を失った。だが、それは本当の意味での[無人機]へとつながったのだから、人生何が起こるか分からないものだ。
「では所長、今後の予定ですが」
そういってアイザックが近づいて行ったとき、一本の連絡が入る。それは研究所内の内線でも、アルカテイル基地からの通信でも、エルミダス基地からの連絡でもなかった。
「ホットライン?」
いわゆる同盟連合の上層部からの連絡である。
――はて、機体の調達の話は先日したし、これからの方針も伝えてある。パイロットだって無事に実戦配備できたし、向こうからの連絡とな?
確かに疑問でしかない。
察したアイザックが[では後ほど参ります]と言って所長室を出たのを確認してから、
「はい、カズであります」
と回線をつないだ。
話はまずカズへの昇進から始まった。
――そういえば、そんな話がまだだったな。
カズは大佐へと昇進となったのだ。そこで[そう遠くない未来に准将にと考えている。そうすれば表立って会談の席に単独で出てもハクが付くからな]と言われた。それは、裏を返せば[これからも仕事を頼むぞ]と言われているようなものである。それが良いことなのか、悪いことなのか。今のカズがそれを尋ねられればきっと[良いことだ]と言うだろう。彼は研究所を守っていかなければならない。ここで朽ちるわけにはいかないのだ。
次にゼロフォーの今後の処遇について話をされる。彼女の話は上層部でも話題になっているらしい。現場からは[戦の女神]と呼ばれていることも。
「それを踏まえて彼女にパイロットとしての処遇を考えている」
つまりは名前と、階級が付く、そういう話である。
「これは、先々にサブプロセッサーが開示された時の先駆者としての役割も担っていると考えてくれたまえ」
そう、自分から志願して現在の姿になったのだ、と。自分は人間であり、軍人である、と。そうゼロフォーに言わせるつもりなのである。
――まぁね、ゼロフォーには何かしらの褒美が必要だろうと考えてはいたから、これは渡りに船だな。
カズはそんなことを考えながら相手と話をしていた。
「そして今日の一番の問題が、これから話すことなのだよ」
相手はそう伝えてきたのである。
全46話です




