表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/27

4.本部との通信の際には私も混ぜて頂きたく-私の口からも言っておかないといけない-

全46話予定です


曜日に関係なく毎日1話ずつ18:00にアップします(例外あり)

※特に告知していなければ毎日投稿です


 イリーナたちはとりあえず自軍の機械化部隊が展開している地点まで戻って来ていた。いわゆる駐屯地である。


 こちらの損害は相当なものだ。何と言っても四体いたレイドライバーのうち半数の二体を失う、という結果を招いたのだから。損害報告だけを見れば部隊長であるイリーナ中尉の責任はとても大きい、と言わざるを得ない、のだが、


「中尉殿、本部との通信の際には私も混ぜて頂きたく」


 シュエメイはそう申し出たのだ。それくらい今回の相手というのは、特にヴィクトーリヤ准尉を仕留めた相手というのは、それほどに難敵であると言わざるを得ない。


 必然、クラウディアへの通信時に自分も混ぜてほしい旨を上申したのだ。


 ――これは私の口からも言っておかないといけない。


 それくらい正確な射撃と冷静な判断を相手はしてのけたのである。


「話は聞いたよ、二人は残念だった。当然、我が方の損失が大きいというのを加味すればイリーナ中尉の処遇は変わって来るのが普通なのだが」


 というクラウディア少佐に、シュエメイは[あれはどこかおかしい機体だ、あんな動きが出来る筈がない]と声高に言ったのだ。


 それは、


 ――別に貴方を擁護したい訳じゃあないが、貴方には戦ってもらわないといけない。少なくともこの戦線を私が無事に脱する為にはそれが必要なの。それに、あれは報告しておかなければならない機体だ。


 そんな下心ともつかない心の声に突き動かされての事である。


「そうか、それほどな存在なのか。あとで戦闘データを皆で協議しよう。それで、だ。まずはリアクティブアーマーと弾薬の補充をして、その陣地で待機せよ」


 とクラウディアからは言われたのだ。


「例の敵に襲われれば、こちらは二体しか……」


 とまで出た弱気のイリーナの声を、


「大丈夫、こちらには秘策がある」


 とクラウディアは返したのだ。


「秘策、ですか?」


 無線に参加していたシュエメイも分からないでいる。そんな二人に、


「大陸製の新型機械化部隊が現在南下中だ。もう既に二都市陥落させた。そして損害は一両のみという性能ぶりなのだよ」


 ――そんな武器が、帝国にあるの!?


 シュエメイが驚くのも無理はない。正直レイドライバーの性能にしたって同盟連合が一歩、いや二歩以上は上だと言うのに、そのレイドライバーをも上回る武器が存在するというのがまず信じられなかった。


「今まで機密事項だったから誰にも情報が降ろせなかったのだが、これで晴れて解禁、という訳だ」


 聞けばその形状が独特らしく、弾丸を弾いてしまうのだそうだ。これはレイドライバーのマシンガンとて例外ではない。


 事実、


「こちらが持っている兵装すべてでテストしたのだからな。その防弾性能は折り紙付きだ」


 と言わしめる程の性能があるらしい。


 そして、実際に二都市に布陣していた機械化部隊をあっさりと全滅に追い込んだのだから。ここは同盟連合の中でも武装としては新型が配備されている場所である、と推測が付く。それを上回っているのだから、


「勝ったも同然、とまでは流石に言わないが、相手には相当のプレッシャーを与えられる。ただし、南下しているとはいえモノは戦車部隊だ、流石に乗用車のような速度は出ないし、戦闘しながらだからな。まぁ、その分、相手にはじわりじわりと恐怖してもらおうじゃあないか。そしてあわよくば」


 ――撤退させられればこちらの勝ち、か。


 シュエメイはここに来て自分の生存確率が上がった事に気が付いていた。


全46話予定です


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ