29.とりあえず話してみましょう-そんなカズの言う、もう一つの案-
全46話予定です
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そして時系列は先ほどのアイザックとの話に戻って来る。
「考え、ですか」
アイザックたち研究所側でもパイロット、サブプロセッサーの勘定はしているはずである。そして、通常配備だと足りない、という現実も。
「とりあえず話してみましょう。お互いに口に出すのは重要ですから」
カズはそう前置いて、
「無事なのがワンワン、ワンツー、ゼロシックス、ゼロフォーとスリーワンの五体。で、軽傷なのがゼロスリーの一体、要相談なのがゼロゼロとゼロワン、ゼロファイブの三体。うち、ゼロファイブはパイロットが死亡、と。そこに三体の補充に予備機が一体、それにゼロワン。パイロット不在なのが六体にサブプロセッサー不在なのが五体、そういう計算で合っていますよね?」
あえての確認。もちろんそれには、
「その通りです」
というアイザックの回答がある。
「引き続いて、三八FIは二機がそのまま健在で現在はエルミダス空軍基地にいると。三五FDIについていえばは二機がエルミダス空軍基地、サンド大尉の機体が一機。カレルヴォ大尉の機体は損傷明けで予備機から出していると。エルミダス空軍基地に予備で置いておかれているのがそのままカレルヴォ大尉の機体としてスライドしたから予備機は使い切った。沖縄の空母群に一機の五機になる。そこに先日もう二機の三五FDIが補充で到着したんでしたよね?」
とまた促すと、
「ええ、その通りです。三五FDIについて言えば予備戦力として取ってありましたからね」
と返って来る。
――さて、足し算と引き算だ。
カズは、
「つまり、すべてを稼働させるには、レイドライバーパイロットが六名、サブプロセッサーが五個、三五FDI用のサブプロセッサーが二個だと。三期生はどうでしたっけ?」
と質問する。それは直ぐに、
「パイロットが四名、サブプロセッサーが七個という結論になりますが」
という現実の数字として帰って来る。
「そう、まずレイドライバーのパイロットが二人足りません。今までならこの、パイロットのいない二体は予備機として置いておくのも考えましたが、帝国のレイドライバーはいかんせん補充が早い。そうなると」
「どこかでパイロットを調達しないといけない、と。しかしどうやって?」
カズの言葉にアイザックが続ける。
「そこで提案です。現在、パイロットの中で生体コンピューターを埋め込んだ人間が二人いますね」
カズはそう切り出した。それに対してアイザックは、
「ええ、その通りです。ですが……それは、つまり!」
どうやらアイザックには考えが伝わったようだ。
「改めて提案します。サブプロセッサーであるゼロツー、ゼロスリーを一時的にゼロツー、ゼロスリーの機体から降ろし、残った機体をパイロット単独で任務に当たらせようと考えています。もちろん、これは今後来るであろう四期生が仕上がるまでのつなぎです。そして取り出したゼロツーとゼロスリーは」
「サブプロセッサー単独運用する、と。その為に[器官]をコックピットに置く、そういう話ですね」
とカズの言葉を受ける。
――そう、器官。それさえあれば現行では何の問題もない。そこで、だ。
「確かに[器官]を配置すれば、スリーワンやスリーツーといったタイプの[無人機]が出来上がります。ですが、我々は軍人である前に研究者です。そしてその研究というのはいつだって前に進めないといけない」
そんなカズの言う、もう一つの案。
それはゼロツー、ゼロスリーは確かにサブプロセッサー単独行動をとらせるのだが、子宮に相当する[器官]は設置しないし、[子供]も設置しない。あくまでサブプロセッサーがレイドライバーのコントロールを、何にも頼らずに行う、というものだ。
「危険ではないですか? まだ独特の間の解消には至っていないのが現状ですが」
アイザックの意見はもっともだ。今まで散々、研究して来たその[独特の間]の解消に子宮リンクシステムという[枷]を嵌めて行動して来たのだから。
「そこで興味深い話を聞いて来たのですよ」
とカズは先ほどゼロフォーと話をした顛末を話し始めた。
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