表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
25/46

25.その道中、カズは色々な案件について考えていた-エレン・エイントホーフェンが死亡しました-

全46話予定です


曜日に関係なく毎日1話ずつ18:00にアップします(例外あり)

※特に告知していなければ毎日投稿です


 カズはそのままの足でまた研究所に戻っていた。


 本当を言えば、このまま拿捕した帝国の機体を待ちたいところではあるものの、流石に船便なのでここエルミダスに到着するにはどうしても二、三日はかかる。カズは、今の同盟連合にはそれだけの空白時間を無駄に過ごすことは出来ないのである。


 いつものように少し遠回りをして、衛星の目をくぐりつつ研究所へと向かう。その道中、カズは色々な案件について考えていた。


 ――ゼロワンは別の人間に回して、レイリアにはゼロゼロに乗ってもらおうか。そうすれば秘密も何もなくなるし。じゃあ、ゼロワンという機体が一体余るな。今回の補充が三体に予備機が一体。計五体か、それだけあれば形にはなるだろう。あとはレイリアのケアもしないと。レイリア、か。


 カズはふと我に帰る。


 今までレイリアに精神的に頼ってきた面があるのは事実である。それは千歳の姿を重ねていたからだ。それほど千歳とレイリアは持っている雰囲気が似ている。だから、あれほど内から抑えられないでいた[チトセ]への黒い欲望が、自傷行為でやっと抑えていた玩具愛にも似たいびつな衝動が、レイリアを[自分のもの]にしたとたんに収まったのだから。


 では、今はどうだろうか。


[チトセ]から、形は少し違えども元の千歳に戻った、取り戻せたのだからこれから先のレイリアにはどんな風に接すればいいのか。確かにレイリアはカズに対して隷属を誓った。だからこそレイドライバーの秘密を明かしてそれぞれの整備にも立ち会わせたのだ。そして二人でいる時の[ミーティング]は他の人間のそれとはまったく違う。他の人間のように隷属を改めて誓わせたり、特定の姿勢をとり続けさせたりといった、いわゆる隷属関係を再確認するような事はせず、一緒に添い寝をして頭を撫でてもらうというような状況なのだ。それはレイリアに完全に母性を見出しているのである。


 だが、今は少し違う。頭を撫でてもらうなら千歳がいる。


 ――オレはこれからどんな風にレイリアを扱えばいいんだろうか。


 改めてそう考える。確かにトリシャやクリスのように完全に隷属を求めて手駒にするのが一番いいだろうし、ある意味フェアである。だが、レイリアにそれを求める事が出来るのか。千歳を想起させるレイリアにそんな事が出来る筈がない、というのが本音だ。


 ならば。


「そうだな、ゼロゼロに押し込めてしまおう」


 カズはふとそんな独り言を言う。


 カズの考え、それは極端な言い方をすれば[レイリアにはこれで兄弟もいなくなったから、晴れてゼロゼロの中で動ける。義手の起動権をゼロゼロに渡してしまえば、作戦行動にも難なく出せる]そんな考えである。


 これはある意味薄情と言われても仕方のない考えだ。だが、これ以上レイリアに依存するのは千歳がいる現在、あまり好ましいとは言えないのも事実だ。ならば、いっそ[目の届く]ゼロゼロのパイロットにした方が何かと良い、そういう話なのである。


 ――ゼロゼロとレイリアはそれでいいとして、エレンは……ダメだろうな。


 それはつまりゼロファイブのパイロットが必要、という話になるし、エレンというパイロットの処遇にも繋がって来る。


 パイロットは、サブプロセッサーは、解放する事も解放される事もないのである。重体だから軍役を退く、という選択肢はないのだ。ならばいっそ処分するか、それとも脳だけを取り出してサブプロセッサーにするか。


 そんな思考をしている最中に、


「研究所から連絡です」


 助手席の人間からのコールである。


「え、研究所? うん、繋いで」


 ちょっと意外な展開だ。まずもってして向こうから繋げてくるのはまれである。


「エレン・エイントホーフェンが死亡しました」


 と事実だけを伝わってくる。


全46話予定です


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ