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23.どう、上手く行きそうかな?-おそらく、と注釈が付きますが再利用は可能だと-

全46話予定です


曜日に関係なく毎日1話ずつ18:00にアップします(例外あり)

※特に告知していなければ毎日投稿です


「どう、上手く行きそうかな?」


 カズは整備士にそう尋ねる。今、陣頭指揮を執っているのは研究所付きの上級整備士である。必然、ある程度のところまでは一般整備士と一緒になって壊れた部品を取り外しをするが、サブプロセッサー周りや[子供]に関する部位については、彼らが直接分解するのである。


 カズのそんな問いに、その整備士たちは[うーん]とひと唸りしてから、


「おそらく、と注釈が付きますが再利用は可能だと思います。ただ……」


 カズに整備士は耳打ちをする。


 ――それは……確かに難しい問題だよな。


 ここで、この機体を廃棄するのは簡単だ。何ならバラして本州から来る定期便に乗せて送ってしまい、形の残らないほどに砕いてから、再びこちらに寄越してくるレイドライバーの再生部品の材料にでもすればいい話だから。


 整備士が耳打ちしたその話とは。


 ズバリ、それはゼロツーとスリーワンのボディーフレームを入れ替えてみてはどうか、というものだ。


 スリーワンは確かに今までの改修で出た余剰パーツを使用して組み上げた機体である。とはいうものの、フレームは共通なのだ。


 そう、ボディーフレームの形というのは、第一世代が誕生してからほとんど、いやまったく変わっていない。それはレイドライバーという兵器が開発された時点で、それだけの将来性を見越して作られた、というのに他ならない。


 レイドライバーという兵器も一般の兵器と変わらず、元々アップグレードされるのを想定して作られているのである。そして基礎となるフレームは十分な強度と、シンプルなつくりに徹して作られている。それは第一世代型を第二世代型にするにあたっての低重心化などにも対応できるように、である。もちろん発足当初にまさかサブプロセッサーをパイロットシートの下に持ってくる等という計画はなかった。それでも、特にフレームの何処か一部を切り取る、などという改造を施す事もなくすんなりと対応できたのである。


 それに、そもそも第一世代にはコアユニットという存在を内包させていたのだ。それが無くなった、という時点で、すでに空白部に何某かの部品の追加という話が出てくるだろうし、現に[コアユニット無し]という前提で低重心化が図られたのだ。もちろん、フレームを一ロットずつ変えていたのでは、部品の共通化一とってみても非常に都合が悪い。


 裏を返して言うなら、ボディーフレームという部品はそれだけ初めからシンプルに、かつ十分な強度を持つように設計されているのである。だからこそ、先ほどの整備士の話ではないが[ゼロツーとスリーワンのフレームの入れ替え]等という話が出てくるのだ。


 ――確かにそれならゼロツーは直ぐにでも使えるだろうし、スリーワンも[見た目上]は直ぐに使えるだろう。うーん、やっぱりそれかなぁ。


 何度も言うが、カズは研究所所長であり、同時にレイドライバー部隊の隊長でもある。必然的にその運用の責任は彼自身が取らざるを得ないのだ。


 命の天秤。


 それがカズが選択しなければならないものなのである。仮にスリーワンとフレームを入れ替えたとしよう。ではスリーワンに不具合が生じるか? と言われれば[多分ない]と言えるだろう。しかし[絶対にないか]と問い詰められれば[絶対にない]とは言い難いのも事実である。もちろんこの問題は厳密に言えば研究所に運んで、実際の点検と金属疲労のチェックをしなければ正確な事は言えない。


 だが、現状の戦力でもしも敵が火種を撒いて来れば、嫌がおうにも戦わなければならない。その際、ゼロツーをとるか、スリーワンを取るかという話に繋がって来る。このままゼロツーをフレームが無事かどうかわからないままで破損部品だけを交換してしまいにするのか、それとも確実にゼロツーの[二名]の安全を取るのか。


 まさに命の天秤にかけなければならない。これはどの軍隊にも言える事なのかも知れない。シチュエーションが違うだけで二つの選択肢があった場合は、責任者は常に片方を選択し続けなければならないのだから。


 第一、それを言い出したらスリーワンの主要駆動部品や外装などは、ゼロゼロやそのほかの機体がアップグレードした際に出た[余り物]で作っているのだから。


 ――こればかりは、な。スリーワンにはババを引いてもらおう。


 カズは整備士にその方向で調整するよう伝えた。


全46話予定です


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