12.きみとなら何処へだって飛べるさ-貴方も私を必要としてくれているのですね-
全46話予定です
曜日に関係なく毎日1話ずつ18:00にアップします(例外あり)
※特に告知していなければ毎日投稿です
時間は少し戻って、一方のカレルヴォたちである。
今回、ゼロフォーは二人羽織という訳ではなく、あくまで指示出しと緊急時のコントロールを受け持っている。それでも今、ゼロフォーは本業のレイドライバーの中にいて、そちらのプロセッシングも行っているのだ。
しかし、ゼロフォーは[私には出来ない]とは思わなかった。それは相手が誰であれ、マスターから[やってくれない?]と言われれば拒む事は絶対に出来はしないのだが、それを差し引いても[これなら出来るかも]と思ったのだ。
そしてそこにカレルヴォへの気持ちがまったくなかったか? と言われれば、多かれ少なかれあっただろう。だから反論もなく素直に了承したのだ。それは出来る、出来ないではない、少しでも可能性があるから引き受けた、そういう話である。
そんなゼロフォーは、
「確認です、アルファ隊は全部で七機、チャーリー隊以下はまだ上がってきていない、と。敵機は十四機確認が出来ています。合っていますか?」
と確認をする。本来であればいちいち確認などしなくても三五FDIのサブプロセッサー経由でデータとして入って来るのだが、こういう時は相互の確認というものが重要になる。それが分かるからこそ、
「あぁ、それで合ってる。敵はこちらの倍、チャーリー隊が上がるまでの、少なくとも二十分くらいはこの状況だ。さて、どう出る?」
とカレルヴォが聞けば、
「まずはM三一DIの排除が先決でしょう。が、それでは数で圧倒的な敵に全滅、という可能性も否定できません。私たちはM三一DIを、残り六機はツーマンセルでそれぞれ攻撃に当てるのが最適解かな、と」
――それならしばらくの時間を稼げるはず。
ゼロフォーはそんなことを考えていた。カレルヴォも、
「そうだな、それが良いだろう。なにぶんこちらの手札が少ない、とすればツーマンセルというのは良い案だと思う。で、例のM三一DIだけど」
とカレルヴォが返せば、
「一対一に持ち込むように誘導しましょう。もしも邪魔がついてくるようなら撃墜する方向で如何ですか?」
と答える。そんなゼロフォーに、
「オーケーだ、それで行こう。ちょっとクサいかも知れないけど、きみとなら何処へだって飛べるさ」
――貴方も私を必要としてくれているのですね。
ゼロフォーは今更ながらに自分の心の変化に驚いていた。今までだったら[そうですか]くらいしか思えなかったし思わなかった。だが、今はどうだと問われれば[嬉しい]という気持ちがあるのである。これは以前の自分には絶対あり得なかった感情だ。それだけでもやはりカズがくれた心の彩は少しずつ、でも着実にゼロフォーを変えていっている。
「では期待にお応えしないとですね。行きます、ターゲッティングを」
そう言いながらゼロフォーがサブプロセッサーに指示を出す。
「つまり、こいつから引き剥がせばいい訳か」
と言うカレルヴォに、
「カル、気を付けて。今までの戦闘データを向こうも必ず参照しているはずです。そこから考えると」
「三機編成の可能性が高い、か。よしそれならそれで。各機は二機ずつで対応を。リンクは常にアクティブにしてある、敵の行動予測線を参照しながら各自対応を」
「了解!」
揃った声がする。
「それじゃあいくぜ、ゼロフォー」
「もちろんです」
こうして自分たちの倍の機数を相手の戦闘が始まったのである。
そこで先ほどの戦闘へとつながる。カレルヴォはM三一DIを仕留めるべく動いたのだ。
全46話予定です




