第三章 何も知らない自分と人々
今回は西川路が戦争や国を讃美する人々をボロクソに言う感じで書いてみました。
あの戦争に意味はなかった。結局のところどちらが勝っても負けても意味はない。あるのは虚しい気持ちだけである。戦争を知らない人々が勝手に語る様が滑稽だ。
何が祖国だ。何が名誉だ。どちらも糞の役に立たない。それよりももっと大切な事がたくさんあるだろう。なぜ皆んなそれがわからない。毎日温かい布団で寝れる環境や美味しい食事及び熱いお風呂やシャワーを浴びられる恵まれた環境。どれも素晴らしくて比較なんてできない。
人は満たされ過ぎると人と自分を比べて争いだす。なんともバカでアホな行動をするのか。全く意味がわからない。
西川路「全くアホどもが…。会話している場面を監視に聞かれていたら懲罰が増えるだけだ。だが奴等の気持ちや言いたい事はよくわかる。あの戦争に意味はなかった。英雄や戦争賛美をする奴らはみんな世間知らずの奴らだ。俺も飯の方が重要だなぁ…だがここは寒過ぎる。カロリーがとにかく欲しい。」
西川路は自分のノルマ区画である丸太一本を切るのに苦戦していた。それは当然である。毎日の睡眠不足と食料不足と栄養失調である。その中でも丸太一本切るだけでも大変な重労働に違いない。
日本は戦争に負けた。負けてよかった。負けなければ日本は将来もずっと奢り高ぶった精神で人々を見下して世界を不幸にしていっただろう。
少し気にかかるのは我々当事者が少数派になった時だ。戦争を知らない人々が民族の誇りを盾にして過去の歴史を修正しだす動きだ。何も知らない人々が勝手に言い出すのである。空腹も知らない連中が言いだすに違いない。
西川路「大森も斉藤たちも気の毒だ。まぁ斉藤に至っては少しお灸を据えての意味もあるな。戦争に誇りや英雄思考で来る奴は戦争の無慈悲さを味わった方がいい。だが俺を含めないでほしいのも事実だな。」
しばらく西川路は黙々と作業をしていた。
大森「西川路は静かに作業しているのはいつも凄いなぁ。俺も今日の食事ノルマの為に作業しないとな。だけど腹が減って仕方がない。この空腹がどうにかなればもっと動けるのになぁ」
結局戦争や祖国を讃美する人々って飢えた事や戦争を体験したことがないから脳がのぼせてしまうんですよね。旧日本を讃美する人々は何かを履き違えているのではないでしょうか。いいとこしか見ないで汚い過去は見ない風潮があるに思えます。
私の書いた西川路は1人の人間として戦争の愚かさやそれを戦争賛美する人々を痛烈に批判しています。
戦後旧日本軍の高官の多くが責任を取らず復員しました。これはおかしな話ではないでしょうか。私はおかしいと思います。他にもYouTubeや書籍では過去の日本を讃美するのが年々増えています。
それよりももっと大切な事に気がついて欲しいです。日本は確かにアメリカに負けました。ですが同時に民主主義と自由を手に入れる事ができたのです。アニメや漫画や小説や映画何も日本では検閲がないのです。これは世界でも類稀な自由民主主義の国家です。日本に自由民主主義をもたらしたアメリカでさえ今日では検閲や取り締まりが激しいのです。今日本は自由民主主義ではアメリカよりも成功しているのです。日本はアメリカが先に打ち立てた民主主義よりもより成熟した民主主義を獲得してアメリカよりも繁栄しているのです。これにみんなが気がついて欲しいです。