気が付くとそこは
「ドスッ!」という音とともにルイスの意識は次第に遠くなっていった......。
気がつくと、何もない真っ暗な空間にいて、どこからか声が聞こえてきた。
「ルイスよ。おまえは小さい頃から一生懸命、努力をしてきて自分の才能を開花させ、
そのすべてを惜しむことなく、母国に捧げてきた。
しかし、その努力が報われる前に若くして亡くなってしまったのじゃな。
わしはこの人生があまりにもむなしすぎると思ったのじゃ。
だから、わしはおまえを異世界に転生させようと思うのじゃがどうかの?」
"この声は誰なんだ?"
"俺は死んだんじゃないのか?"
「あなたは誰なんですか?」
「わしは創造神のヴィンセントじゃ」
"創造神だと!?"
「このまま天国に行くこともできるのじゃが、おぬしが望んでなさそうじゃったから
もう一度チャンスを与えてあげたのじゃが、そのまま天国にいくかの?」
"このチャンスを逃がしてはいけない!"
「いえ、異世界に転生させてください!」
「おぬしならそういうと思ったわい」
「転生させるときに何か欲しい能力などはあるかの?」
"能力......?"
"この人生では権力も名誉も金もあった。唯一足りなかったものといえば..."
「創造神様!物体の時間を扱う能力がほしいです!」
「そんなものでよいのか?」
「なぜこの能力を選んだのじゃ?」
「私のこの人生ではいろいろなものを効率化しようとしても物体の時間までは効率化
出来なかったからです」
「おぬしが望むならいいじゃろう」
「それじゃ、今度の人生では楽しむんじゃぞ!」
その言葉とともにまた意識が遠のいていった....
ルイスが気がつくと、辺りにはいままでに見たことのないものがたくさんあった。
「ここはどこだ?」
あたりを見渡すと
エメラルドグリーンの空、荷台を引いている恐竜らしき生物、明らかに人間ではない見た目だが言葉を話す住民たち....
「俺は本当に異世界転生できたのか?」
ルイスも初めは戸惑っていたが少し時間がたつとだんだんと落ち着いてきた。
「ちょっとこの世界のことを調べてみるか」