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禁忌魔法使いの世渡り旅  作者: 青薔薇
出逢い
4/22

成果と強敵

「こ、これは…すごい所の話じゃないよぉ…」


カシアが立ち尽くすのも無理は無い。

自分は、ただ書かれていた文を間違いなく読み、

魔法を展開し、打っただけだ。

それが、城一つ吹き飛ばせる程の威力だったのだ。


「この魔法は、できる限り使わないようにしよう…」


そう、決めたのだった。しかし、カシアは、


「で、でも!他の魔法も沢山使えるようになったし!」

「大体の魔法は試してみたし!実験もしたし!」

「この2日で私は凄く上達した気がする!うん!」


と、ポジティブに捉えることにしたのだった。



そこから約1ヶ月、カシアは魔法の練習と研究に没頭した。


まずは、攻撃魔法で、主軸として使う魔法を決める事にした。一通りの魔法を試してみたが、やはり一番最初に使った『ファイアバレット』が使いやすかった。

使った事があるので、応用をしやすいし、使い勝手がいいから、とカシアが思ったからだ。さらに、


『ファイアバレット』を無詠唱で打てるようになった。他の魔法もこれからやっていくつもりだ。

なので、彼女の『ファイアバレット』は、

擬似マシンガンのような物になっていた。


「よーし、今日は新記録を目指すぞー!」


と、手を前に出すと、カシアの後ろには複数の

『ファイアバレット』が円形に展開されていた。

深呼吸をして、集中力を高めた。そして、


「ふぅ…よし。……はぁっ!」


声を出すと同時に、カシアの後ろに展開された

『ファイアバレット』が発動した。

頭上で打たれた『ファイアバレット』は、打ち終わると時計回りにずれた。更に、ずれた所には

既に展開してあった『ファイアバレット』が回って来て、頭上で発動された。また時計回りにずれ、打ち終わり、ずれ、打ち終わる。これを繰り返していた。

読者側の世界で言うガトリング砲のような物だ。


「くぅっ…!あと、ちょっと…!」


カシアは既に、一分間程打ち続けていた。

そして、ついには、


「…っ!」


と、体力切れを起こし、魔法が途切れてしまった。だが、


「はぁっはぁっ…よーし!新記録!130発くらい打てたよ!」


カシアは上機嫌だった。

このスピードは、一秒に二発程の速度で打っている。

つまり、弱い魔物なら一撃で倒せるような魔法を

一秒に二発の速度で打てる。これなら、

あまりにも敵が強くない限りは負けはしない。


「次はなんの魔法を練習しようかなー」

「あ、そうだ。忘れてた。」


そうすると、カシアは何も無い空間に手を伸ばし、


「『空間魔法』」


と言った。

次の瞬間、伸ばした手の先には、空間の歪みが出来ていた。そして、カシアはその中に手を入れ込んだ。


「えぇと…あ、あった。」


カシアは、空間の中に三日程前にしまっておいた

草を取り出した。

この草は、抜いてから約二日間で枯れてしまう事はわかっていた。カシアがその草を取り出すと、その草はまだ緑色だった。


「あれ、枯れてない…この草はある程度で枯れるはず…と、言う事は、この空間魔法の中って、時間の流れが無い?」


ふと思い付く。


「…この空間の中って、この世界とは違う空間なのかな。」


すると、何かに気が付いたように木に手を伸ばした。

いつものように、空間を指定した。

そうして、木に向かって空間魔法を展開した。


発動と同時に、木の指定した部分が消えた。

そして、空間魔法の中には、木の消えた部分が入っていた。


「おぉ…これは結構使えるかもしれない…」


と、カシアは一人満足していた。

そして、カシアは、


「よし、そろそろ外に出てみてもいい頃だよね。」


と思った。

そして、夜が明けた。


「今回は、『空間魔法』があるから持っていくものは何も無いよね。」

「よし、今回の目標は、魔獣・魔物の討伐。頑張るぞ!」


と、頬を叩き、喝を入れた。


「うわぁ、久しぶりに来たけど、前よりは緊張感が無いなぁ」


一度来ているので、緊張感は無かった。

特訓の効果もあるのだろう。カシアには、自信があった。


「えっと、まずは魔獣を見つけないと。」

「『サーチ』」


カシアが言うと、

カシアの近くに兎型の魔獣が一体、

カシアの北側に二キロ程行った場所に、熊型の魔獣が一体いる事がわかった。


「よし、行こう。」


そして、カシアは唱える。


「『クロノシリア』」


世界が止まった。彼女を除いて。

『クロノシリア』は指を弾かなくても発動できた。

あの本を書いた人はかっこよくしたかったのかも。


「今のうちに行こう。…あっ、近くにもいたんだった。」


そして、動かない兎型の魔獣に近づいて、


「ごめんね。」


と、『ウォーターカッター』で作ったナイフを刺そうとした。だが、


カキィン…と、ナイフが弾かれてしまった。


「あれ…?なんで?」


カシアは疑問に思うと同時、少し焦った。だが、


「もしかして、『クロノシリア』展開中って、動物に影響を与える事ができない…?」


という仮説に辿り着いた。

恐らく、生物と言うのは自分で動くものという事であり、植物は当てはまらないのだろう。


「これは…気付けて良かったなぁ。」

「でも、魔法は展開できる。なら、」


と、カシアは『ファイアバレット』を二つ展開し、


「『クロノシリア』解除。」


その瞬間、世界は動き出した。そして、


「『ファイアバレット』」


『ファイアバレット』が展開され、兎型の魔獣の頭と胴体を撃ち抜いた。


「うーん、時間が動き出せば直接干渉できるのかぁ。」

「まぁ使い勝手は悪くないし、問題ないか。」


と、再び目標に向けて歩き出した。



五分程歩いて、目標の熊型の魔獣を目視出来た。

やはり熊型の魔獣と言うだけあって、大きい。

3m以上はある。


「よし。『クロノシリア』」


カシアは時を止め、熊型の魔獣の背後に回り込んだ。

そして『ファイアバレット』を展開した。


「『クロノシリア』解除。」


そして間髪を入れずに、


「『ファイアバレット』」


『ファイアバレット』の弾が熊型の魔獣の頭部分を貫いた。そう思っていた。が、


「…なっ、避けられた…!?」


瞬間、鋭い爪の攻撃かカシアに向かって飛んできた。


「うわぁっ!」


と、間一髪で避けたカシアは、一旦距離をとった。


「避けられるなんて…あの魔獣、思ったよりもずっと強い…!」

「でも…私だって特訓したんだよ!」


と、カシアは言葉が通じないであろう魔獣に向かって叫んだ。

そして、自分が考える最善を尽くした。


「『フォレストル』!」


これは、自然を自在に操ることが出来る魔法。

この魔法で、動きを止めようとした。

しかし、さっきの魔法を避けられたように、素早く動かれて避けられてしまった。


「ならっ…『土壁』!」


と、熊型の魔獣の両側に土の壁を立てた。逃げ道を無くした。


「これならっ!」

「『グラディオス』!」


瞬間、カシアの前には剣が出現した。そして、

熊型の魔獣に向かって射出された。


「グォォ…」


と、全てを避けきれなかった熊型の魔獣は足と腹部に

剣が刺さっていた。


「これで…っ」

「『ファイアバレット』!」


炎の弾は熊型の魔獣の頭を貫き、魔獣は倒れた。


「あぁ〜、疲れたぁぁ…」


初めての実践で、疲れが回ってきたのか、倒れるようにして寝っ転がるカシア。


「初めはどうなるかと思ったよぉ…」

「全部の魔法を触ってなかったら危なかったかも…」


改めて、特訓の成果を実感した。


「あ、忘れないうちに、『空間魔法』」


と、亜空間に熊型の魔獣をしまい込む。

内心悪いと思っている。あの魔獣も生きているだなのだから。でも、種族が違う為に敵対し合う。


「ちょっと、悲しい世界かもね。」


一人呟いて、あの家に帰った。

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