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#2 密室

佐久間さくまおう:どんな事件も解決できる敏腕探偵。右目は猫のように黄色い。時々わがままで最低。時々。依頼人の前では愛想が良い。

しらとりゆう:黄央についてる探偵見習い。運動神経は世界一と言っていいほど良く、頭もいい。黄央のことを慕っている。ちょっと変わっていて少し怖くてわがまま。怒らせたら怖い。

八尾図やおずめぐ:ここでバイトしている。ずっと笑顔で犬みたいに可愛くて、力持ち。コミュ力が異常なほどある。怒らせたら怖い。

すがわらげん:無口。でも美少年。頭が良くて、病院を嫌がる優真の治療をしたりする。働き者。いつもキッチンにいる。いい子。仁科と繋がったことのある唯一の存在。

八木やぎかつ:いつも落ち着きがあって、事件の情報を入手したりして色々手伝ってくれている。黄央と同い年で黄央の愚痴をよく聞いている。

しなひろ:黄央たちが担当するほとんどの事件に関わっている、黄央と優真の敵。

佐久間さくま亜真あまなつ:三年前に誘拐された黄央の妹。

まつなが沙耶さや警部:黄央の一つ年上の小さい頃からの知り合い。かっこいい。

しんうち魔理沙まりさ:ものすごく明るい。なんとなくが当たってたりする、すごい人。バカ。


#2の登場人物

やなぎ真紀乃まきの:今回の事件の被害者。心優しい子。

やなぎかい:依頼人。被害者の弟。

佐野さのみつる:暴力的な被害者の彼氏。

かきはな:被害者の友達。


「またあなた達?」

「今回も、絶対解決してみせるから。」

「…わかったよ。」

僕は佐久間さんに依頼人の情報を聞いた。

「依頼人は高校三年生の柳海斗。そして今回の事件は依頼人の姉、柳真紀乃が部屋で血を流して倒れていた。完全密室だったそうだ。ちなみに二人は別々に住んでいたらしい。」

「被害者は…?」

「亡くなってはいないが意識不明の重体。七時頃に見つかって亡くなってはいないということは六時頃に殺されかけたということだろう。」

「そうですか…。密室…。ちなみにどこから血が?」

「額、腹部。腹部には刺し傷が二つあったそうだ。」

僕たちは家中を見渡した。

「鍵がついていたのはこの部屋だけ。依頼人に話を聞こう。」

そして依頼人の元に向かった。

「あ、探偵事務所の…。」

「こんにちは。探偵事務所キャットアンサリングの佐久間黄央です。事件のこと、詳しくお話を聞かせてください。」

「はい。僕は、昨日姉の家に行く約束をしていました。姉の家はオートロックで僕は姉の家の鍵を持っているので、今朝、姉の家にオートロックを開けて入りました。ですが、リビングにも他の部屋にもいなくて、僕は鍵のかかっている部屋に向かってノックをしました。でもなにも返事がなくて、心配になって電話をかけました。もしかしたらどこかにいるのかと思いながら電話をかけました。でも部屋から、電話の着信音が聞こえました。僕は姉が部屋にいるとわかり、何回も声をかけました。そして友達から教えてもらっていた佐久間探偵事務所に電話をかけて、警察に電話をかけました。そして、部屋の鍵を開けてもらったら、姉が血を流して…倒れていて…。」

「その時、窓の鍵も閉まっていたんですよね?」

「はい。完全に。」

「お姉さんの趣味などを教えてもらえますか」

「え?あ…裁縫とか編み物とかそういう物を作ることが好きでした。よく人形などを編んでくれて。」

「お姉さんの部屋はいつも散らかったりしてましたか?」

「糸くずとか切った糸とかがたくさん落ちてました。」

「わかりました。ありがとうございます。」

僕たちは再び現場に戻った。

「密室…。窓の鍵も閉まっていた…。家の鍵はオートロックか。」

「では何者かが部屋のドアを閉めて鍵もなにかの方法でかけて、出て行った。そして自動的に鍵が閉まったということですね。」

「ああ。そのなにかの方法が知りたいんだけど、なかなか…。」

「…わからないです…。」

僕はそう言い俯いた。その時、僕は気になる物を目にした。

「…赤い…糸くず…?」

「ああ、編み物が得意と言っていたから、それだろう。」

「なるほど。」

…それにしても、なぜ出入り口の方に?いや、これはただ単に風で吹き飛ばされただけ…か。

でも、この毛糸、何かが巻かれている…?ペタペタした何か…。

「サムターンは…標準か。…四角く出っ張ってる。…ドアは開き戸。引く式のドアか。」

「佐久間さん、ドアには全て少しの隙間があります。」

「ああ。あと、ドアノブは間仕切錠。ドアは右開き。鍵は右周り。」

毛糸がたくさん落ちてる…。

「凶器は?」

「おそらくナイフだ。あと、頭を殴った物…。」

僕たちは松永警部に凶器が何か聞いた。

「ナイフだけだ。見つかったのはな。…頭を殴った物は見つかってない。犯人が持ち帰った可能性が高い。」

「…早く見つけないとですね。」

「ああ。犯人が捕まえられない。」

僕たちは被害者の身内全員に話を聞いた。そしてその中で怪しい人物だけを絞った。

まず一人目。最近被害者と会っていた、小学の頃からの同級生。新内魔理沙。

「真紀乃が今朝は私は家で友達の優子と夜からぶっ通しでリモート飲み会をしてました。海斗とは昔からの付き合いで、いきなり海斗から「お姉ちゃんが」って電話が来て。私はすぐに向かいました。あ、これ、通話履歴です。」

「ありがとうございました。」

これはアリバイとはいえない。もし、リモート飲み会をしていたとしても、電話を繋いだまま家を出ることだって可能だ。

二人目。垣根花火。被害者の高校の同級生。

「真紀乃が…意識不明?…佐野は?大丈夫だったんですか?」

「佐野?」

「真紀乃の彼氏です。」

「大丈夫…ですよ?」

「八木くんは?あの人真紀乃に何かあったらすぐ駆けつけるから…」

「八木…とは?」

「真紀乃の元彼です。」

「あーえっと…大丈夫だと思いますよ…?…ちなみに朝の六時頃って何してましたか?」

「良かった…あ、朝の六時頃は寝ていました。」

「そうですか。」

寝ていたというのもアリバイとはいえない。

三人目。佐野満。

「あ?あいつが殺されかけた?」

あー、イライラする。

「はい。」

「その時間帯は寝てた。それでいいか?」

「ちゃんとしたアリバイにはなりませんが。」

「ちっ。俺はやってねぇよ。」

「証拠が必要なので。」

「やってねぇって!」

佐野さんは佐久間さんを殴ろうとしただから僕はその拳を片手で抑えた。

「手出したら負けですよ。」

「あー、くそが!!!」

まあ、寝ていたというのも怪しいけど、殴ろうとしたことなどが逃げとしか思えない。

四人目。八木克己。被害者の高校、大学の頃の元カレ。

「真紀乃が…殺されかけた?」

「はい。今朝六時〜七時にかけて、何してましたか?」

「窓辺で本を。…ってこれじゃアリバイになりませんよね。」

「八木さんは柳さんとどういったご関係で?」

「元カレで、今付き合っていた彼氏の不満を聞いてました。」

「佐野さんの?」

「はい。」

「…ありがとうございました。」

八木さんは去ろうとする僕たちの腕を掴んで「僕にも手伝わせてください。」と頭を下げた。

「でも…」

「大切なんです。真紀乃が。知ってる情報はできるだけお伝えします。」

「…じゃあ。」

佐久間さんは「よろしくお願いします」と、右目を見せた。

これで犯人だったら、青ざめるはずだ。

でも八木さんは「はい」と真剣に答えた。

「佐久間さん、今回はモールス信号は?」

「そういえば…ないな。」

「珍しくないですか?」

「ああ。」

佐野さんを車に乗せて事務所まで行った。

「あ、佐久間さん、白鳥さん、おかえりなさい!」

恵留くんが犬のように笑顔で迎えてくれた。

「ただいま。」

誰にも言っていないが、結構癒しだ。可愛い。犬みたい。

あ、ちなみに事務所には犬がいる。だから、ダブルで癒しに来る。

「あれ、その方は?」

恵留くんは隣にいる八木さんを見て不思議そうに言った。

「八木克己さん。被害者の元カレで、協力をしたいそうだ。」

「初めまして。」

「初めまして!バイトの八尾図恵留です!あ、この、美少年は菅原現夢くんです。」

「初めまして、菅原くん。」

「あ…はい。初めまして。」

現夢くんは人見知りだから一度顔を出した後にすぐにキッチンに戻った。そしてお茶を淹れた。

「では、お話をお聞かせください。まず、別れた原因とか言えたら。」

「…別れた原因は、佐野です。」

「佐野さんですか?」

「佐野は、金持ちで性格が悪く、チャラくて大学の時から真紀乃にくっついていたんです。真紀乃も嫌がっていました。一年前、僕たちは大学を卒業する時に佐野に脅されました。「そいつをよこせ。それじゃねえと真紀乃ちゃん家族、大切な奴ら全員殺しちゃうかもなぁ。」って。僕は海斗とも話し合って、離れることを決めました。その代わり、海斗に「真紀乃を守って」と伝えて離れました。でも先月、真紀乃が泣いて家にやってきました。「満に殴られて。」と。」

八木さんが話しているとインターホンが鳴った。

「すみません。ちょっと出てきます。」

「あ、どうぞ、お構いなく。」

ドアを開けると、松永警部と依頼人が立っていた。

「少年が話したいことがあるって。」

「はい。」

「…入って。」僕は海斗くんを事務所の中に入れた。

「じゃあ私は外で待ってる。」

「ありがとうございます。」

海斗くんは顔を上げて八木さんを見た。

「かつ兄…!」

「海斗!!」

そして海斗くんは八木さんに泣きながら抱きついた。

「よく頑張ったな。」八木さんも涙を流していた。

「うん…。」

「海斗、痣は治ったか?」

「うん、でも傷は…。」

「そうか。でも、生きててよかった。」

「かつ兄…」

よく見ると恵留くんも泣いていた。

「とりあえず、座って話を。」

「はい。」

海斗くんは佐野さんのことについて話し始めた。

「僕たちは両親を早くに亡くして、二人暮らしをしていました。姉は母代わりになってくれて。そんな姉が、彼氏ができたとかつ兄を連れてきました。かつ兄は本当に優しくて。僕のお兄ちゃんのように接してくれました。…でもそんな二人に佐野が…。…佐野は無理矢理姉を取って、僕たちを支配しました。言うことを聞かなかったら殴るし、いい加減な人で。かつ兄に「守って」って言われたから僕は頑張って姉を守りました。何度か僕も殴られて。」

「海斗は何度か僕に電話をくれました。…佐野の家に行きたくても助けに行くことができなくて。泣いて駆け込んできた時は何度も抱きしめて「大丈夫だ」と言いました。…佐野は最低なやつです。」

「…お話、ありがとう、ございました。」僕はそう感謝した。

「では、魔理沙さんのことについて何か知っていますか。」

「魔理沙は、海斗のお姉ちゃん的存在で、優しい奴です。真紀乃がなんかあったら家まで言って、話を聞く。北海道の方にいる優子と電話しながら。僕も時々その中に混ざって飲んだり。」

「まり姉は、そんなことしないって信じたい。」

「ありがとうございました。…じゃあ垣根さんのことについて。」

「あいつは…よく知らないけど性格が悪いと有名でした。性格悪くて孤立してて。でも真紀乃は優しすぎて垣根と仲良くしてて。そのせいで真紀乃が悪目立ちすることも多かったな。垣根が真紀乃の悪口を言ってることも。あ、運動神経が学校一で、逃げ足ナンバーワンでした。…僕と真紀乃が割り込みをしてきたりするようなやつです。」

「ありがとうございました。」

「…優真、早く行くぞ。」

「どこにですか?」

「海斗くん、警察のお姉さんのところ行って戻ってくれ。」

「はい!」

「だからどこに行くんですか?」

「早くしないと犯人に逃げられる。」

「え…!?」

「車なんて使ったらバレちまう。走るぞ。」

僕は佐久間さんについて行って、走った。

「ど、どこまで?」

「垣根花火と佐野満のところだ!お前は佐野のところに!」

「はい!!」

僕は走って佐野のところに行った。インターホンを押しても出てこない。周りを見渡すと、走っている黒い服の人を見つけた。あの背格好…佐野だ。間違いない。生まれつき記憶力と目と耳と頭はいい方だ。


運動神経だって、学校一だ。

僕は、靴の裏を擦って、「よーいどん」と言って走った。

「佐野ー!!!!!!!」

「は!?ちっ。(速!!!)」

佐野は急に加速してきた。でも僕にはそんなのへでもない。僕は家の塀に登って助走をつけて佐野のところまで飛んだ。

佐野の目の前にヤンキー座りをして止まった。

「さのぉ…?逃げるんだぁ。だっさw」

「きも!!(こいつさっきのメガネ陰キャだろ!?雰囲気違いすぎだろ!!!)」

佐野は後ろを振り向いて逃げようとした。だから僕は飛んで、佐野の肩の上にぶら下がった。

「自動おんぶー!どう?」

「は!?」そして佐野の足に足を引っ掛けて転ばせたあとに仰向けにさせ、押さえつけた。

「お前がぁ、柳真紀乃さんにしたことぉ、許さないからぁ。わかってんの?」

「ちっ、知らねぇよ!!!(こいつこんな声低いの!?)」

僕は眼鏡を外してニヤついた。

「はい確保。どんまーい!」僕は佐野のポケットにある血のついたハンマーを取り出した。そして警察に取り押さえてもらった。

「あ、この人お願いします、…現場に連れて行ってもらえるとありがたいです。」

僕は急いで佐久間さんのところに向かった。

三十秒程度走ると、佐久間さんの背中が見えてきた。

僕は煙が立つぐらい加速して、佐久間さんに追いついた。

「佐久間さん!」

「優真!さすがの運動神経。もう取り押さえたか。」

「はい。いつも通り現場に連れて行きました。」

「ありがとな。そんな運動神経の優真には垣根の前方から攻めてほしい。」

「今どこら辺に?」

「1700mほど先にいる。きっと証拠を中野倉庫に隠そうとしてるんだ。」

「証拠ならさっきハンマーが見つかりましたけど。」

「違う。それだけじゃない。刺し傷が二つあっただろ。でもな、さっき松永警部から聞いたけど、あのナイフだけじゃないことが判明したんだ。もう一つの刺し傷の凶器は、包丁。だから隠そうとしてるんだ。」

「だからわざと凶器の一つを残して…。」

「ああ。じゃあ頼んだ。」

「はい。」

僕はそう言い、止まった。そして靴の裏をさっきのように擦って、クラウチングスタートをした。

「オンユアマークス…セット…バンッ」

僕はそう呟いてスタートした。

高校の時の1500m走の記録は三分を切った。

世界保持者の記録を堂々と越した。中学高校とあだ名は新幹線。

僕はジャンプ力も高かったから、「もうターザ○じゃん」と言われていた。まあ、カエルとも呼ばれていたしウサギとも呼ばれていたし、とにかくキモがられた。早く走りすぎて。

走っているとポケットで電話が鳴った。

「もしもし。」

「佐久間だ。今どこら辺にいる?」

「倉庫まであと800mくらいです。二分くらいで追いつくかと。」

「わかった。追いつく。」

まあ、佐久間さんもなかなかキモい。だって、

2000mを三分で走る人だから。

ジャンプ力は負けないけど。

「佐久間さん、もう追いつきます!」

「わかった。俺も垣根の背中が見えてきたところ。」

「つきました!垣根が今走ってるところ、曲がり角がないから僕は倉庫への曲がり角で隠れて待ってます。」

「ああ。わかった。…やべ、垣根に気づかれた。」

「気づかれても大丈夫では?」

「垣根は、運動神経がやばいって話だ。多分こいつ、飛ぶぞ。」

「は、え、え!?」

「まあ、優真のカエルジャンプには負けると思うが。…追いついた。あと少しで手が届く!」

垣根はその瞬間、とてもじゃないほど高く飛んで家の屋根の上にのった。

「優真いけ!」

「はい!!」

僕は塀にジャンプして、家の屋根の上を走って助走をつけたあと、ジャンプして家の屋根に登って逃げる垣根の腕を掴み、屋根から落とした。

もちろん、怪我をしない程度に。

「お前、!」

「ふふーん、ジャンプ力すごいでしょ。」

「すごいな。でも仁科さんがいる限り私は強いんだ。」

「優真危ない!!!!!!!」

前を見ると先にスナイパーを持ち、フードを被った男が僕の肩にレーザーを当てていた。なぜだ。こんな銃はないはず。避けるにも避けられなくて、僕はそのまま撃たれた。

「!!!」

「優真!!!」

「ははっw。バーカ!」

垣根はそのまま逃げて行った。

「くそっ…。」

「優真、大丈夫か?!」

「大丈夫です。全然。」

佐久間さんのこんな必死な顔、初めて見た。

「許せねぇ…。」佐久間さんが怒ってフードの男の方を見た時佐久間さんの電話が鳴った。

「やぁ、佐久間黄央くん。仁科だよ。」

「仁科!!!!」

「君も、そこから退けないと、僕お手性の銃で撃たれちゃうよ?」

よく見ると、佐久間さんの左胸にレーザーが当てられていた。

佐久間さんは青ざめて、避けることができなかった。

「佐久間さん!!!早くそこから避けてください!!!」

「身体が…動かない。」

「佐久間さん!!」

死んでしまう…。僕は佐久間さんを突き飛ばした。

「っ!!!!」

「優真…!」

銃弾は僕の腹に当たった。

「大丈夫です…佐久間さん…。」

僕は佐久間さんのスマホを耳に当てて立ち上がった。

「おい仁科。俺は死なねえぞ。ほら。」

そしてポケットからハンマーを取り出した。

「お前の可愛がってる佐野の持ってた凶器。柄の部分に銃弾が当たった。ここに入れておいてよかったわー。もう少し威力あったら貫通してた。よかったよかった。…俺たちはそんな簡単に死なねぇから。」

「面白いなぁ。また勝負しようね。」

フードを被ったやつはそう言い、どこから消えた。

電話も切れていた。

僕は崩れ落ちるように座った。

「血が…」

「大丈夫です。肩ですので。」

「肩もやべぇよ。このまま行くと失血死…。」

「物騒なこと言わないでください。」

本音を言うと、今すぐにも倒れそうだ。

でも、そんなことになれば垣根を捕まえることができない。

倒れそうな僕の元に一台の車がやってきた。

「…白鳥さん!!」

八木さんと恵留くんだ。

恵留くんは僕をヒョイっと持ち上げた。

「佐久間さん、先乗ってください。」

「ああ。」

佐久間さんが車に乗ったあと、僕が膝枕をされる形で車に乗り込んだ。

「八木さん、ありがとうございます。」

「いえ、恩返しです。」

「病院には行きたくないです…」

「…そう言うと思ってた。」

佐久間さんはそう僕の頭をポンポンとした。

「大丈夫です。行き先は事務所です。」

「…ありがとうございます。」

事務所につくと、再び恵留がヒョイっと僕のことを持ち上げた。

「恵留くんって…力持ち…だね。」

「こう見えて毎日のように筋トレしてたので。今は飽きてやってないですけど。」

「うん、全然見えない。犬みたいだもん。」

「す、好きでこんな可愛くなったわけじゃないです。」

恵留くんはほっぺを膨らましてそう言った。

「現夢、よろしく。」

「うん。」

僕はソファに寝かされ、現夢くんはタオルで僕の上腕をキツく縛った。

「これ、撃たれどころ悪かったらもう二度と機能しない状態になってましたよ。…呼吸も速くて浅いし、脈拍は…大丈夫そう。応急処置をすれば大事には至らないと思います。わがままボーイすぎます優真さん。」

「ごめん…」

現夢くんは医者が夢だったらしい。手際が良すぎて何をしているかわからなかったけど、なんかあっという間に処置が終わった。

「はや。」

「これで大丈夫です。」

「優真、とりあえずここにいろ。」

「嫌です。」

「優真!」

「嫌です!僕が仁科をどんだけ恨んでるか、佐久間さん知ってるでしょ。」

「…でも」

「大丈夫です。なんてったって僕は最強のわがままボーイなんですから。」

「…わかった。無理だけはするな。」

「はい!」

僕たちはまた垣根の元に走って向かった。

「垣根はどこでしょうか。」

「きっとまた中野倉庫だ。俺たちは来ないと思ってる。行くぞ。」

「はい。」

僕たちは二人とも靴の裏を擦ってクラウチングスタートをした。

「「オンユアマークス…セット…バンッ!!」そして走り出した。

すると、大きい荷物を抱えて走る垣根の背中が見えた。

「見つけた!!!」

「よし、追い詰めるぞ。」

垣根は倉庫まで着いて、安心していた。僕は垣根の背中に話しかけた。

「なぁに安心しちゃってんの?」

「…!!お前!!」

「すんごい生命力でしょー。」僕はピースを折り曲げてニヤついた。

「俺、一回許さないってなった相手は一生許さないんだぁ。人殺そうとして?知らないふりして?凶器隠そうとして。挙げ句の果てにはこんな肩痛くされてさ、あと、無駄な体力まで使わせやがって。なぁ、どうなのかなぁ?謝れよ。あ?」

「…ご、ごめんなさい!!!」

「何言ってんの。許すわけねぇだろ!!」

僕は眼鏡を外してポケットにしまった。

そして首をポキポキと鳴らした。

((佐久間黄央の心の声)あーあ、怒らせちゃった。優真は怒らせたら色々やばいのに。)

「さっき言ったけど、一生許さねぇよ。」

僕は垣根の元に勢いよく走って押し倒した。

その瞬間、垣根は包丁を突き出してきた。

「お…っと!危ない危ない。そうだ。君はそういう子だったねぇ!」

「離れねぇと殺す!」

僕は大人しく垣根から離れた。垣根は再び逃げようとした。

僕は垣根を追いかけて、思いっきり飛んだ。

「隙あり!!!」

そして頭に蹴りを入れて、包丁を手から離させた。

「佐久間さん!包丁お願いします!」

僕はそのまま垣根を押さえつけた。そして松永警部を呼んだ。

佐久間さんはカバンの中身を確認した。

「…両面テープ。」

「佐久間さん?」

「あ、行こうか。」

僕たちは急いで現場に行った。

「…まだ謎は…解けない。」

「佐久間さん、僕はわかりました。」

「ちょっとまて。…なるほど!ナイス優真!!」

佐久間さんは倒れた。今日も佐久間さんの推理の時間!!

「よし。一旦事務所戻るぞ!」

「佐久間さん!!!」

「ああ、たった一つの謎が解けた。」


事務所に戻ったあと、佐久間さんはホワイトボードにまとめ始めた。

「まず、容疑者の佐野と垣根だが、八木さん、この二人の関係は?」

「二人は…あ、飲み会の時!高校の同窓会の時に予約してた店に佐野もいて。垣根と佐野はそこで意気投合したみたいで、二人はかなり仲が良かった記憶が。」

「ありがとうございます。被害者の柳真紀乃さんは、密室の中で倒れていた。真紀乃さんの傷は三箇所、傷を追っていた。1つ目は刃の細いナイフで腹部に。そして2つ目は包丁で。同じく腹部に。3つ目はハンマー。ハンマーでこう、ゴンッと頭部を殴ったと思われる。」

「そして、3つとも違う凶器を使って一つだけ現場に残しておいたのは、一つの凶器で殺したと思わせ、もう証拠はないと思わせるため。」

「そうだ。そして、密室にした方法だが、優真、説明できるか。」

「はい。」

そういい僕は立ち上がった。そしてペンを持って絵を書き始めた。

「部屋の鍵は標準サムターンで、毛糸を引っ掛けて鍵を閉めた。でいいですか?」

「惜しい。九十九点。」

「あと一点は?」

「サムターンは金属でできている。だから毛糸だと滑ってしまう。君たちだったらどうする?」

恵留くんは「はい!」と手を挙げた。

「はいどうぞ。」

「まず質問から行きます。サムターンには毛糸が残ったりしていましたか?」

「残ってなかった。」

「となると、なにか一時的にくっつく物を毛糸につけたり、少しベタつくものを毛糸に仕込んで、滑らなくさせます!」

「おっ!正解!」

「め、恵留くん凄!」

恵留くんは嬉しそうに現夢くんのもとに帰っていった。

「さっき、一時的にくっつく物を毛糸につけると言っていたが、優真、」

「はい」

「優真が触っていた毛糸、何かペタペタした物が巻かれていなかったか?」

「あ…はい。」

「それの正体は…」

「正体は?」

「ズバリ。…説明するときにいいます。」

「えー!ずるいです!」

「ヒントは垣根のバッグに入っていたもの。滑り止めとして使った。」

「ん…?あ…なるほど!」

「わかったか。」佐久間さんはそういいニヤついた。

推理をまとめていると松永警部から電話がかかってきた。

「もしもし。今真相がわかったところで…」

「やばい。」

「?」

「佐野に車を奪われて逃げられた。」

「え…。」

「車は警察のだ。位置情報を送る。」

「わかった…。」

佐久間さんは電話を切った。

「どうしたんですか?」

八木さんは立ち上がり、そう聞いた。

「佐野に逃げられた。」

「え…?」

「今追います。」

佐久間さんは、スマホを握りしめてドアから出ていこうとした。そんなとき、八木さんが佐久間さんの腕を掴み、「僕が行きます」といった。

「でも、危ないですよ。」

「危ないのはわかってます。でも、あいつだけは一生許せない。僕に行かせてください。」

「……わかりました。でも相手は車です。だから事務所の車庫にある自転車を使ってください。鍵は開いてます。あと、これカメラが搭載されているイヤホンです。電話を繋ぎながらお願いします。現場で待ってます。」

「はい、ありがとうございます。」

八木さんは相関者を告げ、飛び出していった。

「俺たちも行くぞ、現場。」

「はい。」




僕はずっと佐野が許せなかった。

僕は自転車を借りて爆速で走り出した。

「もしもし、繋がってますか?」

「はい!電話、繋がってます。」

「じゃあそこを右に曲がってください。」

「はい。」

絶対捕まえる。

「ところで、行き先は何処なのでしょうか。」白鳥さんが佐久間さんにそう聞いた。

だから僕は「家です、多分。」と答えた。

「家?でも佐野の家は違うルートですよね。」

「佐野は、今多分大きい通りに向かっています。大きい通りにはあいつのもう一つの家があります。大学のみんなに自慢気に話していたのを覚えています。急いで追いつきます。大きい通りに出たら教えて下さい。」

「わかりました。…今大きい通りに出ました。」

「ありがとうございます。急いで向かいます。」

僕は爆速で自転車を漕いだ。

「あ、聞き忘れていました。車のナンバーは?」

「しの8889です!」

「大きい通りに出ました。…あ!ありました!」

「…ん?車の動きがなんか変…。」

「え?確かに。∪ターンした…?」

「…佐野は車ごと死のうとしている…。八木さんが追っていることがバレた…!?佐野は今、八木さんの方に向かっています!逃げないと衝突されてしまいます!」

「…」

「八木さん?早く逃げてください!」

「僕は、僕は逃げません。佐野を許しません。真紀乃のかたきは僕が打ちます。」

「でも相手は車ですよ!!」

「車だろうがなんだろうが関係ない。車は小回りがききません。でも僕は自転車です。小回りだって大回りだってできる。佐野は、僕が捕まえます。」

数m先に佐野の乗っている覆面パトカーがあった。もう少しで衝突してくる。正直心臓はバクバクだった。でも僕は自転車のハンドルを握って、車の右横、運転席側に言った。こうすれば僕を轢くことは出来ない。

僕は運転席のドアを開けた。

「おい佐野、出てこい!」

「やだね。」

「わかった。ならこうするだけだ。」僕は佐野の乗っている車を人気の少ない場所に連れ込んだ。そしてさっきと同じように車の横に行き、運転席を開けた。そして佐野を引きずり出した。

「はっ!?(怪力!)」

車は勝手に動き出してしまった。車の目の前には杖をついたおばあちゃんがいた。

僕は走って車に乗り込み、ブレーキを思いっきり踏み込んだ。

「…!おばあちゃん大丈夫?!」

おばあちゃんと車の間には数cmしか隙間がなかった。

「…?だいじょーぶだよ…?心配してくれてどうもありがとう。」

おばあちゃんはそう言いゆっくりと去っていった。電話の向こうでは、佐久間さんと白鳥さんの叫び声と安堵の声が聞こえた。

「良かったです。八木さんは大丈夫ですか?」

「はい。」

安心して背もたれによしかかっていると佐野が自転車に乗って大きい通りに逃げていった。僕は窓を開け、すぐに車で佐野を追いかけた。

「佐野!!!」

「バーカ!油断するからだよ!!」

佐野は後ろを向いて僕にそう挑発した。目の前に電柱があるとも知らずに。

「お前も、そんな後ろばっか見て油断してたらぶつかるぞ。」

「は?」佐野は前を向いた。でもそのときには遅かった。佐野は電柱にぶつかり、倒れた。

僕はシフトレバーを押して、車を止め、車から降りた。

「佐野、完全に気絶してますね。ほら、触っても起きない。」

「じゃあ、車に自転車と佐野を乗せて現場に来てもらってもいいですか。」

「はい。…バカはどっちだ、佐野。」僕は佐野にデコピンをして車に乗せた。




「あ、来た。」

「来ましたね。」僕達は八木さんのもとに向かった。

「八木さん、佐野は?」

「たった今起きました。」

警察は佐野を捉え、要望通り事件現場に連れて来た。

「これで皆さん揃いましたね。では、事件のトリックを説明します。被害者の柳真紀乃さんは、この部屋の中で倒れていた。そしてこの部屋は密室だった。真紀乃さんの傷は三箇所、傷を追っていた。1つ目は事件現場に残っていた刃の細いナイフで腹部に。そして2つ目は垣根さんが隠そうとしていた包丁で。同じく腹部に。3つ目は佐野さんが隠そうとしていたハンマー。頭部を殴ったときに使用した。で間違いないですね。」

佐野は「…ああ。」と怒りながら言った。

僕は額に手を当てて説明をし始めた。「そして、三つとも違う凶器を使って一つだけ現場に残しておいたのは、一つの凶器で殺したと思わせ、もう証拠はないと思わせるため。で、いいですか?」

「ああそうだよ!!いちいち確認とるな!!」

「ちっ。」

((佐久間黄央の心の声)怒らないで優真…!さすがに今怒ったら現場が荒れる!目つき怖くなってるって!)

「そして、密室にした方法だが、優真が気になっていた糸くずと毛糸にヒントはあった。優真、詳しく説明できるか。」

「はい。」

そういい僕は毛糸を持った。

「部屋の鍵が開かなくなったら困るので八木さんは部屋の中にいてください。では今度は僕のターン。説明を始めます。部屋の鍵は標準サムターンといい、少し四角い形状をしています。サムターンは右回り。犯人は毛糸を∪の字に折り曲げ、こうやってサムターンのツマミ部分に引っ掛けました。そして掴んでいる毛糸をドアに挟まるようにしてドアを締めた後、左手に持っている毛糸、サムターンのつまみ部分の上側になっている毛糸をゆっくり引っ張り、垣根さんの持っている包丁で毛糸を切ると、密室の完成です。」

垣根は「ふっ」と鼻で笑った。僕は怒りを堪えながら、「なんですか?」と聞いた。

「惜しいなー。よく考えろよ!それは金属だよ?毛糸なんて、滑って閉められないだろ!!」

「ははは…。そうだよ。」僕はメガネを外して人差し指を垣根に向けた。

「ここからが、たった一つの真実。…八木さん、鍵開けてもらってもいいですか?」

「はい。」

僕はさっきサムターンに引っ掛けた毛糸を垣根たちに見せた。

「よく見ろ。毛糸にはちょこっとだけ両面テープが巻かれている。」

「…!」

((佐久間黄央の心の声)そう!!!そのとおりだ優真!)

「垣根のバッグには両面テープが入っていたんだ。両面テープは、金属にくっつくがベタッと貼らない限りくっつかない。だから、毛糸の一点に両面テープを巻き、滑り止めとして使った。お前らは毛糸が散らかった被害者の部屋を何度か見ていた。だから毛糸を切ってもバレない、違和感がないと思った。違うか?」

「「…そうだ。」」佐野と垣根はそういい俯いた。

僕はメガネを掛けて深呼吸をした。

「あなた達は、一生をかけてこのことを反省してください。…僕のターンは終わりです。」

佐久間さんは僕の頭をポンポンとし、「よく出来たな」と言った。

「今度は僕の番です。…垣根さん、あなたはきっと嫉妬をしていたのですよね。」

「え…?」

「あなたは八木さんと佐野さんが好きだった。でも全て被害者に奪われた。」

「なんでそんな事…。」

佐久間さんは前髪をかきあげて右目を見せた。

「「猫神様…!!??」」二人の顔は青ざめ、硬直していた。

「佐久間さん…。」

「確定だ。この事件の裏にも仁科がいる。」

「…」

佐久間さんが前髪を下ろした瞬間、二人は膝から崩れ落ちた。

「垣根さん、あなた、真紀乃さんの心配よりも佐野さんと八木さんの心配ばかりしていましたよね。」

「はい…。」

「佐野さん、あなたは優しい真紀乃さんが憎かったから協力したんですか?」

「はい…。優しくて人気があって家族にも好かれていた真紀乃が憎かったです。殺したかった。そんなときに垣根から電話が来て「真紀乃を殺さないか」って。だから僕は協力しました。」

「垣根さん、今の証言本当ですか?」

「はい。」

「…この事件の裏には仁科という人物は関わっていますか?」

佐久間さんがそう聞いた瞬間、二人は再び硬直した。

そして震えながら「「…はい。」」と答えた。その瞬間、二人の頭部にレーザーが当たった。

そして、銃弾が飛んできた。僕達は二人を銃弾が当たらないように引っ張った。

よく見ると二人の耳にはイヤホンが着いている。僕達はそのイヤホンを自分たちの耳につけた。すると「トントトント、トントントトント、トトント、トントトト、トントン、トントトトン、トント、トントントトントン、トントントント、トントトトト」と何かをノックする音が聞こえたその音とともに通話は切れた。

「佐久間さん、今の…。」

「ああ、仁科だ。」

「なんて言ってたんですか?」

「「仁科だよまた遊ぼ」って言っていた。」

「…仁科がこの事件にモールス信号の要素を入れなかったのは、最後まで想像通りだった…からでしょうか。」

「ああ、きっとそうだ。…松永警部、この二人なるべく保護しながら車に。」

「ああ、わかった。佐野満、垣根花火、殺人未遂罪及び証拠隠滅罪で逮捕する。



「八木さん、凄いファインプレーでしたね!」僕がそういうと八木さんは照れくさそうに顔を赤らめた。

「いえ。そんな。あの、頼みたいことがありまして…。」

「?」

八木さんがなにかいいかけたとき、インターホンが鳴った。

「すみません。」

「いえ、どうぞ。」

僕は「はーい」と言いドアを開けた。すると新内魔理沙がドアの前に立っていた。

「ちょっとお話があります!!」

「あ、ではどうぞ、上がってください。」

「失礼します!!!」

新内魔理沙は八木さんを見て大きく手を振った。

「かつ!!お前なんでここいんの?」

「魔理沙も、なんで来たの?」

「いや、ここでバイトをしたくて。」

「え!?新内さん!?」

「キャット アンサリングってなかなかインパクト強くて気になって調べたら、結構有名だったんですね。キャットって調べるだけで出てきました。で、私、頭悪いけどなにか協力できるかなって。」

「ええ…んもう…佐久間さぁん!!寝てないで起きてください!!」

「採用。」佐久間さんはむくっと起き上がってそういった。

「え、マジすか。」

「採用。これからよろしく。」

「佐久間さん!?うちお金ないですけど!」

「そこらへんは大丈夫っす!バイト代はいらないです!」

「え?!」

「好きで手伝うだけなので。あ、あとこいつ、多分「僕にも手伝わせてください」的なこと言おうとしてたと思いますよ」

「魔理沙。言うな。」

「え!?」

「採用。」

「佐久間さん!?」

「魔理沙と同じように、今はお金は大丈夫です。…あとこれ。海斗から、40万です。」

「え…流石に…」

「受け取ってください。」

「…わかりました。ありがとうございます。じゃあ改めて自己紹介を。座ってください。佐久間さんも!!恵留くんたちも来て。」

「はーい」

現夢くんはなれた手付きで全員分のお茶を入れた。恵留くんは笑顔でそれを運んだ。

「どうぞ。」

「えー、改増して僕が白鳥優真、18歳高校生、探偵見習いをしています。そしてこの人が佐久間黄央さん。21歳。よろしくお願いします。」

「そして僕は八尾図恵留、17歳高校二年生です!僕も佐久間さんたちに助けられて昨日からバイトをはじめました。よろしくおねがいします!」

「僕は菅原現夢。17歳高二。僕も黄央さんに助けられました。ここでは一年前から働いています。よろしくおねがいします。」

「えー、私は新内魔理沙、21歳です!バカですが、明るいのが取り柄で、勘が当たらなかったことはないです。よろしくおねがいします!」

「僕は八木克己です。21歳。情報を集めたりするのが得意です。周りには良く聞き上手と言われます。よろしくお願いいたします。」

「はい、明日からよろしくお願いいたします。」

新しい仲間が増えた。




「新しい仲間ね…。楽しくなりそうだ。黄央。僕に追いつけるかな?…亜真夏ちゃん、一緒にお兄ちゃん応援しようか。」

「…はい、仁科様。」

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