表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ディストラクション・インベーダー・ラヴコメディ  作者: 大野春
【scene:09】 ディストラクション・インベーダー・ラヴコメディ
98/119

(98)でも、やらない


「ああ、君、今は非常事態宣言が出てるから、面会なんて出来ないぞ?」


受付にも人がいなくて

やっと見つけた看守のような人が

僕の質問に対してそう答える。


「いや、どうしても・・・」

「みんなそう言ってるけど、断って帰ってきてもらってるんだ」

「どうしてもなんです!」

僕は大人に強めに訴えるが

相手は冷徹だ。


「これは規則だ。君だけ特別じゃない」



「阿久津首相!銃撃事件の・・・犯人の子供です」

僕は素性を明かす。

その言葉に、相手は少しだけ

顔色を変えた。

しかし、同じ言葉を繰り返される。



「君だけ特別とはいかない」



「どうしてだよ。犯罪者の子供で僕だけは世間に特別扱いされてきたんだ。こんな時ぐらい、特別扱いしてくれなきゃ、おかしいじゃないか!」



「ダメだ」



「なんでだよ!」

僕は涙が出てきた。



「地球が続く事を願うんだな。非常事態宣言が解除されれば、おそらく面会はできる」

「終わったらどうするんだよ!」

「その時はみんな終わりだ!ははは!!」

男は笑みを浮かべながら、僕の腹に蹴りを入れた。



「世の中よぉ、ガキの相手してる暇は無いんだよ」



悔しい。

ここにきて。

一歩手前で。



僕は看守に指で作った銃を向けた。



「何の真似だ?」


「この銃を放てば、お前は粉々になって死ぬんだ」


「何言ってんだガキ」



撃てば、殺せる。



「でも、やらない」



「さっさと帰れ」



「でも、癪だから」

僕は銃を撃つ。

廊下にあったパイプ椅子が

粉々になって崩れた。

その景色に理解が追いつかない様子の看守。



「嘘じゃ無い。撃てるんだ。でも、撃たない。看守さんの言うとおりだ。地球が続いたら、会いに行く」


僕は踵を返す。



僕が親の罪を被るわけじゃ無い。

でも、この地球はなんとかしたい。

だから僕は

ここで破壊行為をして、親に会うなんてことはしない。


そうだ。

良い破壊をして

少しでも人の役に立たなくちゃ。



奪われていた人生のはずだけど

僕は小宮や風馬、小雨さんの

命を奪ったんだ。



償わなくちゃならかいんぁ。



僕は、僕の罪を。





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ