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(95)チャリ走



「おーーーい!」



誰もいない学校の廊下の端から

廊下の端へ

僕は大きな声を上げて

椎葉さんを呼んでみる。



反響する僕の声。

全く反応は無い。

スマホを取り出し、椎葉さんにメッセージを送る。

返事は無い。



椎葉さんが消えた。



ついちょっと前まで

一緒に行動して

国中の兵器を破壊して

ちょっと寄り道して

この街の懐かしい人に会っていた。


その一瞬のうちに

椎葉さんは僕の眼の前から

姿を消してしまった。



その日は途方に暮れた。

真鍋さんのいる謂わば実家に帰ろうか

悩んだけれど

プライドがそれを邪魔して

僕はとりあえず駅に向かう。


最低限のインフラと言わんばかりに

街の街灯だけがついているのだけれど

街の灯りは少ない。

当たり前か。

地球が終わるかもしれない、そんな事態に

仕事をする人なんて少ないはずだ。

コンビニもガラスを割られて

店内は荒らされている。

あんなに毎日頑張っていた駅も

暗くなっていて、静かだ。


当たり前なのだけれど

今は異常事態だ。



椎葉さんはどこへ行ったしまったのだろう。

僕には想像がつかない。

もしかして・・・力を使い過ぎて

どこかで倒れているのだろうか!?


僕は椎葉さんがいそうな場所を必死に探した。

自転車の鍵を破壊し

自転車で街中を駆け回る。

椎葉さんどころじゃなく、誰もいない。

だからこそ、誰かがいれば分かりそうだが

誰もいない。



じゃあ、

僕はどうすべきなのか。



後は椎葉さんに任せるべきなのだろうか?



違う。



僕は分からないけど

ペダルを漕いで

東京へ向かう事にした。

地理はなんとなく分かる。

最適なルートじゃないかもしれない。



僕は自転車を漕ぎ始めた。



平坦な道を進んでいる間は

道路を走る車もいないから

気持ちがよかった。



次第に坂道を越え

山道を越える事もあった。

この国道が東京へ繋がっていることを

知っていたから

僕はただその道を真っ直ぐに進んだ。



夜に出発して

太陽が昇る頃。

田舎道で僕は疲れ果てた。

眠たい。



「こんな時に旅行かい?」



田舎のばあちゃん、としか言いようが無い風貌。

ばあちゃんが僕に語りかけてきた。



「東京目指してて」

「ありゃりゃ。朝ご飯は食べたのかい?」

「いや・・・」

と言った瞬間に分かりやすくお腹の音が鳴る。



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