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(91)猶予



その事件から3日後。


椎葉さんと行動を共にしていた僕は

清水さんの元へは帰れずにいた。

緊急で通信基地局が用意されたらしいが

未だにスマホは繋がらない。



新しく入った情報。

それは宇宙人が1ヶ月の猶予を

与えてくれた事だった。



ー〝日本国だけではないでしょう。首脳の皆様が集まり、議論するのです。そして、我々がこの地球ほしの頂点にいる事を認めて下さい〟ー



ー〝1ヶ月の猶予を与えます。それまでに認めなさい。さもなければ、またミサイルは飛ぶでしょう〟ー



ー〝3月31日。20時。そこがタイムリミットです。それまでは我々は何もしません〟ー




「1ヶ月か」

僕はそんな事を言ってみる。今日は2月の終わりだ。


「ゆーはどうしたい?」

「そりゃ、もちろん、救いたいよ」

「じゃあ、救うしかないのさ」

「だよね」


僕と椎葉さんは

破壊する力を持っている。

例えば、ミサイルとか

そういったものを

意図も容易く破壊できる。


僕たちがなんとかするしかない

当たり前の結論だ。



「みーの力があれば、全国津々浦々、飛び回れる」

「そっか。地道にミサイルを探すんだね」



そうだ。

単純なことだった。

目の前の女の子は、神。

破壊の神だ。


「これ」


そう言って、椎葉さんは

小さな袋から、カード状のそれを

取り出して広げた。

これは・・・



「ゆーが働いてたとこから回収した、会員証」

「なるほど」



三依小雨さんは、

芸能活動を通して社会的地位や

自分自身を国中に売り込んだ。

そして僕が働いていた場所で

各界のトップと密会し


恋という力で

それらを洗脳した。


ミサイルはきっと創造神が作っていたとしても

政治的な力を持つものの力がなければ

簡単には撃たない。

そもそも撃てる場所を風馬が創り上げているのかも

しれないけど。



「まずはここらへんかの?」



会員証には

顔写真と会員ナンバーと肩書きが

書かれている。名前はない。

椎葉さんが見せたそれには

〝防衛省 大臣〟と書かれていた。


僕は賢くないから

よく分からないけど

たぶん、兵器のことを取り扱うなら

ここだ。



「この人に会いに行くって事?」

「行ってみるしかないの」


「だね」

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