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(90)画面の向こう




ー〝我々は宇宙人です〟ー



テレビで繰り返し流れる画面に

僕は、いや、おそらく全国民が

いや、全世界の人間が釘付けだ。


宇宙人を名乗る男が

白い背景の場所でただ立って

話をしている。


そして、その場でその顔を

何度もぐにゃぐにゃと

変えていく。擬態だ。


知らない人の顔に変化したり

いつかのパパ活宇宙人のような

病みメイクの女子に変化したり

殺された体育教師の国北になったり

そして何度か変化した後、

小雨さんの顔になった。


椎葉さん曰く、僕が殺した宇宙人とは

違う宇宙人であり、小雨さんであって

小雨さんでは無いらしい。



ー〝先程、都内に2発のミサイルを放ちました〟ー



ー〝これは、我々の力を示したに過ぎません〟ー



ー〝これ以上の被害を出したくなければ〟ー



ー〝我々宇宙人が、この地球の頂点にいる事を認めていただきたい〟ー



ー〝それはこの国だけではありません。世界での話です。貴方がたヒトよりも我々が上にいるという事を〟ー



ー〝ただ、認めていただきたいのです〟ー



小雨さん顔の宇宙人の映像から

首相官邸の映像に切り替わる。



ー〝多くの被害がでた事は誠に遺憾です〟ー



ー〝我々は原因の究明と関係諸国と連携し、毅然とした対応を〟ー



そんなつまらないコメントが流れたので

僕達はその場を去った。


通信の基地局がやられた。

だから誰もスマホを使っていない。

テレビだけが機能していて

僕達は電気屋や店にあるテレビに集まって

情報を収集していた。


この、あり得ない非常事態に

国は混乱している。

少し歩けば、破壊された瓦礫だらけの街に

救助隊が集まっている。


僕と椎葉さんは歩きながら会話する。

爆発は昨日の夜起きて、

今は翌日の朝だ。

誰もが眠れなかったと思う。




「どうなっちゃうんだよ。地球」

「なんとかするしかないのさ」

「なんとかするったって・・・」



そもそも、ミサイルがどこから飛んで来たのか

それすらも分からない。

あの半島から飛んで来たとか友好国の陰謀だとか

色んなことを叫ぶ人の雑音で耳が疲れる。



「みーの予想。創造神が作っていたんだと思う」

「ミサイルを?」

「うむ」

「って事は国内から撃ったって事?」



「うむ。つまり国外へも撃てるという事なのさ」




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