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(86)殺人


「由依の兄貴・・・」



「おとなしく、暮らしていれば良かったんだ。お前は。いや、そう命じたはずだ。なのに、気が付けば椎葉しいの封印を解いて、俺の女に手を出そうとしている。許せないな。こりゃあ」


久しぶりに見る

創造の神はやはりすらりと伸びた身長と

そして敵という感じがしない容姿。



「僕は・・・」

僕は指で銃を作り、風馬に向ける。

神同士の力は通用しないが、神の力を借りた

僕の力は風馬には通用する。



実はこのタイミングを待っていたんだ。



創造の神を破壊する。

そうすれば、小雨さんに与えられた力も

解除され、僕は小雨さんを破壊できる。


全ての根源である、

目の前のこの男を撃てば

僕は過去の自分と

おさらば出来る気がする。


そこに躊躇いは無かった。

話せば、話してしまえば

きっと心が揺らぐから。



だから、

僕は西部劇のガンマンのように

即座にそれを風馬に放つ。



撃ち放ったそれは

僕には見えない透明な銃弾が

風馬へ向かったはずだった。



向かったはずだった。



しかし。




僕の隣にいた小宮の身体が膨れ上がり

細かく刻まれ、

パラパラと崩れていった。



理解が追いつかない。



「小宮ッ!?」




「普通に生きていないから、こうなる。俺は自分を守る為、透明な壁を作り上げた。お前のその力を跳ね返す為の、壁をな。それが跳ね返って、小宮を貫いた」



風馬がご丁寧に

その仕組みを説明した。

僕の脳はじわじわと

何かに支配されていく。



僕が

小宮を殺した。



「裏切り者には、罰を」

小雨さんは冷静にそう語った。

その時の表情は確認していない。

きっと無表情なのだろう。

もしくは、笑っていたのかもしれない。



「うああああああああっ!!!」



僕は叫ぶしかなかった。

銃弾が跳ね返された?

なら、僕は風馬を目視し、意識して

パーの手をグーにするんだ。

捻り潰してやる!


神様なんて、やっぱりいない。

目の前のコイツらは

悪魔だ。


悪魔なんだ。



しかし、その手は動かなかった。

手を氷が覆っている。

僕の両手が凍っていた。



「おい、お前。今、俺を破壊しようとしたな」


「当たり前のことを言うな」


「由依の悲しむ姿を想像したのか?」



最低だ。

この男は。


もし、風馬が死ねば

由依はきっと深い悲しみに堕ちる。


それを僕は想像してしまった。



ちくしょう・・・

ここまで来たのに・・・



焦る事なく

非常口からふたりは去っていく。

僕はでも、追いかける。

非常口の先は安っぽい階段になっていた。


視界には小雨さんをお姫様抱っこしながら

空を飛ぶ風馬の姿。



「もう、諦めろ」



外に出て気がつく。

けたたましいサイレンの音。

空を飛ぶヘリコプターの音。



手は動かせない。

ふたりは空を飛んでいる。


こんな状況じゃ

何も出来る訳がない。



その瞬間、小雨さんの身体が爆発する。

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