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(80)事実は心を刺す


夜の神社。

会議は続く。


「みーは、収穫なし」

椎葉さんはあっさりと

何もなかったことを報告した。


「収穫、なしか・・・」



こうして、小雨さん改め美雨さん破壊計画の

第一段階の方針が決まる。

まずは僕が1か月後に彼女の舞台に参加する事。

そこで彼女と接触を図るという事。

とにかく小宮はエーテルフーズの冷蔵倉庫の

状況を確認しておく事。

椎葉さんは下部楽風馬にバレないように

出来るだけ穏便に過ごすという事。



「それじゃあ、俺は早速冷蔵庫の監視に行きますよ」



そう言って小宮は去る。



ふたりになった。

動かない犬の石像の顔は険しい。



「ねぇ、椎葉さん」

「なんだの」

「中学の頃からずっと気になってたんだけど」

「なっ!?なんだの??」

何故か慌てている椎葉さん。


「あ・・・いや、椎葉さんって神様なんでしょ?」

「みーは破壊の神だの」

「昔から、その姿なの?」


僕は気になっていた。

清水さんが見せてくれた

行方不明の妹の姿。

それは椎葉さんに瓜二つ。


いつか由依は言っていた。

兄貴が死にかけた事があるって。

死にかけた人に憑依するのが

神様なのかな、なーんて思ったんだ。



「これは仮の姿だの」

「仮の姿?」

「神様ってのは概念なのさ」

「が、概念?」

「実在しないって言った方がいいかの」

「よく分かんない」

「みーは概念。この身体は、死んだ女の子に憑依したものなのさ」


や、やっぱり・・・

僕の予感は当たった。


「その子は、どうして死んだの?」



「宇宙人に殺されたのさ」


「宇宙人に!?」



嫌な気持ちになる。

宇宙人に殺されたとか

そういう事以前に

清水さんの妹は死んでいる。

その事実が胸を刺した。


死んだとしても

死体はない。

だから、行方不明。

兄の清水さんは

その姿を追っている。



「ね、ねぇ・・・それってさ、もし椎葉さんが憑依しなくなったらどうなるわけ?」



「この身体は死体に戻るだけなのさ」



少し期待していた。

復活するんじゃないかって。

そんな事は無かった。



黙り込む僕をみて

椎葉さんが口を開く。



「どうして、そんな事急に聞くのさ?」


「いや・・・気になってただけ」


「何かあるって顔してるの」

「なんでもないよ」

「そうかの?」



そこで会話は途切れた。

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