(79)三流下世話記事
集合場所はなんて事のない神社だった。
考えてみれば、神様なんていないのだと
僕は今まで否定してきたのだけれど
破壊神が目の前にいる。
その隣には宇宙人の小宮がいた。
「じゃあ、報告会としますか」
小宮が仕切る。
僕達は三依美雨破壊計画に向けて
各々が得た情報を語る。
「小雨さんは今度、舞台に出る」
とっておきの情報を繰り出す僕。
彼女のSNSをフォローし
その動向を探った。
最早ファンだ。
「舞台かの」
「うん。これなら、まずは観客として近づける」
「でもそれじゃあ、恋愛に発展しねーんじゃねーのか?」
小宮が真っ当な意見を出す。
「劇場で、出待ちのファンを装う。そして僕は久しぶりに再会的な・・・」
「そんなドラマみたいな事、出来るかの?」
「やってみなきゃ分からないよ。それに、椎葉さんとは縁を切ったことにすればいいんだ」
「破壊神様が冷蔵庫から抜け出した事、バレなきゃいいけどな・・・」
小宮は言う。
「コミー。ゆーは冷蔵庫の動向も探ってるのかの?」
「まぁ、ちょっとしたカメラは付けてますよ。今のところ、大きな動きはありません」
破壊神椎葉しいは小宮の事を〝コミー〟と呼び
小宮は椎葉さんの事を〝破壊神様〟と呼んでいた。
「もしバレたら、ゆーが小雨ちゃんに近づいても、怪しまれるだけだの」
「どうしたもんか・・・」
「何より、創造神の動向が掴めていません」
小宮は語る。
下部楽風馬。創造の神。
由依の話によれば、彼は今ココ、東京にいる。
もっと話を聞いておけば良かった。
「冷蔵庫の動向を監査しつつ、舞台には客として参加してみる、まずはこれだの」
椎葉さんが導き出した。
現状はそれしかない。
「じゃ、俺の報告だけど」
そう言って小宮は週刊誌をカバンから取り出す。
それは僕を追いかけたような一流雑誌ではなく
嘘しか書いていないだろうと思うレベルの見出しが並ぶ
超B級の雑誌だ。
「この記事見てくださいよ」
小宮が開いたページには
アホみたいな記事が踊っていた。
ー〝枕営業タレント一覧と相場〟ー
分かりやすいイニシャルと金額が羅列されている。
「これはなんなの?」
椎葉さんは分かったいないようだ。
「これぐらいの金があれば、駆け出し女優のイニシャルM.Mと接触を図れるって事ですよ」
小宮・・・アホかお前。
「コミー、相変わらずアホだの」




