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(74)日給8千円


エレベーターが到達する音に耳を立てる。


僕に仕事を与えてくれたコワモテのおじさんは

どうやら1階上で待機しているらしい。

店の中がどうなっているかは分からない。

何故なら僕はエレベーターホールにしか

その居場所がないからだ。

余計な所には行くな、と釘を刺されている。


店内を見ようにも、布のカーテンが

明らかに外からの視線を遮っていた。


雑居ビルの6階。

看板もない場所に居酒屋?

あまりにも怪しい。


でも、僕はただ

与えられた仕事をするだけだ。



すると、6階でエレベーターが止まる。

僕は緊張しながら

客を出迎えた。



圧倒的な威圧感。

スーツを着た男が現れる。


「いらっしゃいませ・・・」

僕は恐る恐る話しかける。


「これ」

男は胸ポケットから会員証を見せてきた。

それを確認し、カーテンの先へ誘導した。

この会員証を持つ者のみ、入店が許される。


僕は僕の仕事を終えた、

はっきり言って楽な仕事だった。

あまりコミュニケーションを取る必要も無い。

それに、タトゥーの人曰く、この店に来る人は

事前に予約を取った人間のみだし

素行不良の人間は来ないのだという。

だから、普通にしていれば

トラブルに巻き込まれることは

ないのだという。


僕の仕事はただ、店に来る人の会員証を確認し

店内へ招き入れる事。

非常に簡単な事だった。



「ほらよガキ」



仕事を終えたのは3時。

実働で多分6時間。

通した客は4人。

すごく暇だった。

それでいて給料は8千円、

安い気がする。

でも文句は言ってられない。



「ありがとうございます」

「清水によろしく」

「はいっ!」



僕はタクシーを使おうと思ったのだけれど

なんとなく楽しくなって

夜の街を歩きながら帰る事にした。

深夜3時だというのに、街は賑やかだ。

少し人が減ったな、ぐらいの印象で

色んな人が出入りしている、


しばらく歩いて

僕が家に着いたのは深夜4時。

玄関を開けると、嗅いだ事の無い臭いと

女性モノの靴があった。



ー〝俺がオンナを連れてきたら、黙って部屋を出る事。いいな?〟ー



清水さんに言われた事を思い出す。

疲れていたのに

僕は近くの公園で

夜が明けるのを待った。






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