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ディストラクション・インベーダー・ラヴコメディ  作者: 大野春
【scene06:それからの僕たち】
63/119

(63)これ以上の生活


夜。

僕の家の門の前。

小さな街頭に映る顔は

やはりアホ面だった。


「小宮」とだけ僕は言う。


「髪染めてるし!」

僕の頭を指さす小宮。


「久しぶり」

「なんで染めたの?」

「別に深い意味はないよ」


本当は先輩にナメられたくなかった。

それだけだ。


「ふーん、で?」


「いや小宮が来たんだろ、ここに」

「そうだった」


相変わらず、アホだな。

コイツ。


生暖かい風が

僕らの身体を心地よく刺激する。

小宮は何をしにきたんだ?



「何か用?」



小宮だったから、僕は顔を出した。

他のクラスメートだったら

きっと顔は出していなかったと思う。




「率直に言うぞ」

「なんだよ」

「椎葉さんの事だよ」

「は?」


小宮から飛び出す

椎葉しいというワード。


「居場所を突き止めた」

「あ?」

「行方不明になってただろ?」

「そうだね」


中学2年の時。

転校してきて、ちょっとだけ現れて

知らぬ間に体調不良でいなくなって

知らぬ間に転校された事になっていた。

あの教室にいた人間が知ってるのは

それだけだ。


「椎葉しいは透明教傘下の食品会社の冷凍庫にいる。氷漬けにされている」

「氷漬けに・・・?」




ん?


まてまて?


小宮?



「ちょ、ちょっと待て、小宮。お前、どうして透明教とかそういうワードが出てくるんだよ」



「俺は神に仕える調査員だからな」



「ち、調査員?」



「宇宙人を発見し、破壊神に報告するのが俺の勤めだ」



「な、何言ってんだよお前」



「俺さ、アホだから」

「何それ」

「破壊神は教えてくれなかったけど、おまえ、きっと破壊神と仲良かったろ」

「ま、まぁ・・・」

「だから、これはもしかしてだけど、お前、破壊の力とか持ってんじゃねーの?」

「えっ?」



アホの小宮じゃない。

名探偵小宮じゃねーかよ!



「だから破壊神を救えるのは、お前しかいないって事なんだよ」



「小宮・・・お前・・・」

「それに気付くのに、すげー時間かかっちまった」


「アホ過ぎるだろ」



「で、どうする?」



どうする?

椎葉しいを助ける?

そんな事を言われている気がする。




「いや・・・僕はもう、これ以上の生活は望まない」




「そっか」

「あっさり引き下がるんだな」

「いや、お前次第だし。俺が10年後にこの事を思い出してたかもしれないし」



「小宮・・・」



「でも、脅威は近づいている。これだけは伝えておく」



そう言って小宮はヘラヘラと歩きながら

去って行く。




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