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ディストラクション・インベーダー・ラヴコメディ  作者: 大野春
【scene06:それからの僕たち】
62/119

(62)アホ面



たまに思い出すことがある。

椎葉しいの存在。

破壊の神として公園で出会って

ほんの数週間の間に

色んなことが起きた。

僕の人生の中でトップ1位2位を争う

イベントだったと思う。


そんな彼女はもういない。

どこかに封印されているらしいのだけど

僕にはよくわからない。


分からなくて良いと思う。

僕は平穏な生活を送りたいだけだから。

それでもたまに、週刊誌の記者や

透明教の信者、警察が

僕に接触を図ることがある。


今日も気配を感じるけど

僕はそれを無視して

自宅に帰る。



「おかえりなさい」



家は変わってないけど

家の中は、中学生の頃から

様変わりした。


僕の部屋はたぶん

大人っぽくなった。

何より変わったのは

僕の世話役が真島さんから

真鍋さんに変わったということ。



「ただいま」

「職場は慣れた?」


真鍋さんは50代のおばちゃんだ。

真島さんと違って

僕に馴れ馴れしい口調で

語りかけてくる。


少し迷惑だけど

きっとまともな親なら

こんな感じでコミュニケーションを取るのだろう。

僕はそう思った。


「今日も怒鳴られたよ」

「例の先輩ですか?」

「うん。アイツ、ぜってーぶっ殺す」

「そんな物騒なこと言わないの」



真鍋さんの作った蕎麦を食べて

僕は自分の部屋に戻る。


ぶっ殺したい先輩はいるけど

中学校の時よりはマシだ。

僕は今をありがたく、受け入れていた。


なんとなくテレビをつけると

主演映画の番宣です、と

三依美雨さんがバラエティ番組に出ていた。


相変わらず、綺麗な人だ。


そりゃそうだよな。

宇宙人なんだから。


きっとほとんどの人が

知らないだろう。

あの人が宇宙人で

透明教の地方本部のトップだということは


ー〝映画 虹の彼方で ご覧下さい〟ー


美雨さんは番組の最後に

映画の宣伝をしていた。

空前の大ヒットらしい。

本当かどうかは知らないけれど

この映画のおかげで、僕はみたくなくても

彼女を見る機会が増えた。




中学を卒業して、

みんな、何をしてるんだろう。

僕は関係を閉ざしていて

皆のその後は知らない。


付き合えるのかな、なんて思っていた

由依の顔や声も忘れかけていた。


きっとイケイケの女子高生になって

違う男とよろしくやってるんだろう。


そんな気がした。



部屋をノックする音が聞こえる。



「なに?」


ドア越しに会話をする。



「小宮さんという方がいらして・・・お会いしたいと」



僕はあのアホ面を思い出した。



アホの小宮。



どうして、今?

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