(55)新興宗教地方教祖細断事件
九段下の身体は
あの日椎葉さんがパパ活宇宙人を撃った時のように
膨らんで、破裂した。
そして分解された。
細切れのようにその身体は
綺麗なブロック上に分解される。
しかし。
分かれたと思えば
直ぐにそれらは繋がった。
「えっ」
思わず僕はそう発していた。
その身体はみるみるうちに
元に戻った。
「無駄ですよ」
「嘘だろ」
コイツもまさか・・・
小雨さんと同じく、
創造神の力を貰っているのか?
「椎葉さんに聞かなかったのかしら。宇宙人は擬態出来るって」
九段下がそう言い放つと
彼の身体はぐちゃぐちゃに溶け出し
そしてその姿に変身した。
それは三依小雨さんの姿だった。
「お前・・・小雨さんだったのか」
「私という存在が九段下単元であり、三依小雨というだけよ」
なるほど。
僕は膝から崩れ落ちた。
「なんだよ。無理ゲーじゃん」
「泳がせたつもりだったけど、裏切ったのね。私の事」
髪をサッと、揺らして
小雨さんは僕の目の前まで近寄ってきた。
「裏切った訳じゃない」
「でも、貴方は私の下僕。命令を忘れたの?椎葉しいを手懐けなさいって」
「少しずつ・・・やってた」
「本当かしら?」
「でも。それとこれとは別だよ」
「そうね」
「小雨さん・・・貴方が僕の両親を騙して、首相を殺したんだろ」
「結果的にそうなるわね」
「地球人を操って・・・乗っ取るつもりなんだね」
「そうよ。でも、何も変わらなかったわね」
何も変わらない。
変わったのは僕を取り巻く環境だけ。
「くそ・・・」
それ以上の言葉が出ない。
「分かったのなら、帰りなさい。帰って、椎葉しいを手懐けるのよ」
「その必要は無い」
その瞬間、下部楽風馬が現れた。
「風馬。どうしてこんなところに?」
小雨さんの顔が変わる。
厳しい顔から、恋人の顔に。
「なんとなくコイツが・・・」
風馬は僕を指差す。
「コイツがこうする事を予想していた・・・そして椎葉しいが邪魔をしてきた」
椎葉さん・・・
「邪魔?」
「ああ。俺を足止めする為に、破壊行為を繰り返した。看過できなかったよ」
「どうしたの?」
僕も聞きたい事を小雨さんが風馬に問いかける。
「封印した」
ふふふ、封印!?




