(50)黒幕の名
滑り台のない公園。
破壊神と出会った公園。
そこに僕はいる。
「お待たせしたの」
椎葉さんは珍しく
体操着姿だった。
ちょっとだけ・・・膨らんでるぞ。
って今はそんな事考える余裕は無い。
「椎葉さん。この前は強く当たってごめん」
「地球人はそんなもんさ。みーだって怒る時は怒る」
「でさ、少し状況が変わったんだよ」
「状況?」
「宇宙人は、破壊すべきだ。僕はそう思う。だから、ニキータを破壊したのも正解だ」
「そうなのか」
曇り気味だった彼女の顔が
明るくなる。
今日。
登校初日。
僕に接触を試みた透明鏡の信者が言った。
ー〝貴方は救世主なのです〟ー
ー〝若。革命家のご子息である貴方に今一度お力を・・・〟ー
ー〝再び、革命を起こしましょう!我々と!〟ー
信者は死んだ目を輝かせて言ったんだ。
ー〝若の御両親と同じく、九段下様が指揮を取られます!
〟ー
九段下。
特徴的な名前だったから
思い出せた。
「九段下単元」
僕はその名前を口にする。
「宇宙人の事かの」
「そう」
あの日、透明教の地方本部で
椎葉さんが破壊しようとしていた宇宙人。
それは創造神・下部楽風馬に阻止された。
あの日、椎葉さんが出した宇宙人の名。
九段下単元。
その名前を覚えていて、良かった。
「九段下は僕の両親に首相銃撃を指示した」
あの信者は僕が乗り気になってくれる事を
望んで、色んなことを喋った。
あの銃撃を企てたのは九段下だった。
革命という名の元、僕の父と母を
利用した。
宇宙人が利用したんだ。
僕たち地球人を利用した。
僕の父と母を。
流行と言うと違うかもしれないが
洗脳したのだ。
宗教を使って。地球人を洗脳していた。
「宇宙人の恐ろしさが分かった」
僕は伝える。
きっと国北が僕に優しかったのは
いずれ僕を何かに利用する為だったんだ。
宇宙人は、僕らの星を
乗っ取ろうとしている。
三依小雨だってそうだ。
あんなルックスでクラスメートを魅了して
きっと最後には意味の分からない流行を
作り出して、僕たちを殺すつもりだ。
「ゆー、顔つきが変わったね」
「椎葉さん。三依小雨さんの事、頑張る。だから、手を貸して欲しい」
「九段下の破壊かの?」
「うん」
「みーが破壊してくるかの」
「いいや。アイツは、僕の手で破壊する」
破壊する。




