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(43)路地裏の距離



昼を食べて

身長の高いマネキンが並ぶ店に入って

買えない額じゃないけど

身をわきまえて、何も買わないで


ゲームセンターでエアホッケーをした。

取れるまでカネを入れて、UFOキャッチャーで

よくわからないぬいぐるみをとった。


とりあえずダラダラと歩いていく。

気がつくと僕たちは

いつしか宇宙人を見つけたところ・・・


スケベ通りにいた。


気まずい。

由依は何も言わない。


僕だって思春期の男なわけで。


すけべ通りにある

そのホテルがどういうホテルなのか

知っている。

うん、意識してるぞ、僕は。



いやいや、おかしいおかしい。

こんな展開は望んでない。僕は。

いやちょっと可能性としてゼロじゃないのか?


「なーに、期待してるわけ?」

「えっ!?」

「別に・・・」


別に・・・って何!?


別にいいよってこと?

別に気にしてないって意味!?

分かんねー!



その時だった。

ビルとビルの隙間が明るい。

この眩しさは・・・

視界がそれを確認した後、嗅覚が

それを確信させた。


「かっ、火事だ!」

思わず僕は叫ぶ。


「へっ!?」

慌てる由依。



由依は咄嗟に、近くにいた男女カップルに

助けを求めた。火が燃えてます!と。

そこからの大人というのは頼れる。

俺たちに任せなさい、とペットボトルの水で

消火を試みた。



しばらくして、焦げ臭さは残ったけど

火はなんとか消し止められた。



「ふぅ・・・よかったね」

カップルは何かよそよそしい感じで

またふたりで歩いていく。


路地裏。

ゴミから発火したようだ。


「ねぇ、これってケーサツとかに連絡した方が良いんじゃ?」

由依が言う。



僕は躊躇った。


なぜかと言えば、疑われるからだ。

きっと。

理由なく、疑われてしまう。



「辞めとこうぜ、変に疑われたり」

「別に私たちがやったわけじゃないじゃん」

「そうだけどさぁ」


由依はスマホを取り出し

検索サイトで、検索をしている。

こういう時、どうすればいいかを

調べているようだった。


しょうがないから

僕もその画面を見てみる。

疑われるなんて・・・

そんな事、無いよな・・・

由依がいるし。



由依のスマホの画面を見た。



知らぬ間に、僕と由依の顔が近付いていた。



ただならぬ空気の街の路地裏。



きっと誰も僕たちなんて気にしない。



スマホの画面から

僕は勇気を出して

由依の顔を見ようとした。

ちょっとずつ、角度をずらそうとした時。



何者かが、そのスマホを取り上げ、ブーメランのように投げた。



それはクルクルと回転しながら

すぐにビルの外壁に当たる。

画面が割れる。



えっ?



振り向いた頃には

由依は男に羽交い締めに

されていた。





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