(33)再確認
「あのさー、ちょっといい?」
放課後。
体操着姿の由依が僕に話しかけてきた。
長袖に半ズボン。
少し露出が多い。
バスケ部だから、日焼けはしていない
白い肌が綺麗だ。
「さっきの話の続き?」
「うん。デートして」
「へ?」
「この前言ったじゃん。恋人に立候補していい?って」
「ぬっ」
「ぬっ!?」
「ちょちょ・・・」
「ちょ?」
ちょっと待って、なんて
男らしくないよな。
「うん。いいよ」
「じゃ、詳しくはメッセージのやり取りで」
そう言って、由依はスキップしながら
去っていく。
って、なんかあっさりオーケーしちゃったけど・・・
何これ?
由依は俺に気があるわけ!?
いやいや、でも兄貴は創造の神・・・
何か理由があるんじゃ・・・
「随分と楽しそうね」
ハッっとして振り向くと
小雨さんがいた。
「き、聞いてた〜?」
「聞いてたわよ。おデートなのね」
「お、おデートて」
「・・・ところで」
うわっ、またあの上からな感じの
小雨さんのテンション。
僕はこの人と取引をしている。
というか僕は奴隷呼ばわりされていて
僕の方が不利な取引だ。
「昨日の事は、風馬と椎葉さんの仕業よね?」
彼女は単刀直入に聞いてきた。
「う、ん、まぁ〜」
歯切れは悪いが、真実を伝える僕。
「どうしてそんな事に?」
「いや・・・なんつーか・・・方向性の違いってやつかな?」
「貴方は止めてくれたの?」
「う、うん、まぁ・・・結果的に」
「良かった」
冷たい小雨さんの顔が緩んだ。
「うん・・・」
「今後も、風馬に何かあったら、助けてあげてね」
小雨さんのその言葉を聞いて
僕はふと思ってしまった。
というか、改めて再認識する。
小雨さんと風馬が好き同士であるという事。
宇宙人と神様の恋ってのは
よく分からないけど。
けれど、側から見れば
ただの人間同士のカップルだ。
「みーの相棒に肩入れしないで」
僕と小雨さんの間に、椎葉さんが現れる。
「こんばんわ」
「随分と冷静なのさ」
「貴方こそ、騒ぎを起こしておいて、よくも平気な顔して学校に来れたわね」
「別に」
険悪なムード。
僕は椎葉さんの相棒であるし
小雨さんの奴隷でもある。
手が出ない。
意味不明な三角関係だ。
「私は風馬の力がある。破壊出来ないわよ」
「知ってるの。この際だから聞く。ゆーの目的は、なんなのさ?」
「この地球を取り戻す。それだけよ」
「ここはもうゆー達の場所じゃないのさ」
「神様は随分とおせっかいね。これは私達の問題よ」
「神様の力を借りてるのに?」
「うるさいわね。あれは自由恋愛よ」
気まずくなったのか
小雨さんは髪をふわっと揺らしながら
去っていく。
「ね、ねぇ・・・椎葉さん」
「なんなのさ」
「その、宇宙人とか、地球人とかってなんなの?」
「聞きたい?」
「うん」
僕は椎葉さんと一緒に歩きながら
宇宙人の話を聞いた。




