(32)カムバック
「ぶへっくしょん!!!!」
バカみたいなくしゃみをする僕。
いつもの教室。休み時間。
僕とキスした翌日は休んだ癖に
昨日創造神とやりあった椎葉さんは
何事もなく登校していた。
クラスは昨日起きた怪事件の話題で
持ちきりだ。
世間を賑わし続ける宗教法人。
その近くで起きた原因不明の爆発
壊れていく公共物。
一種のテロではないか、とか
また大きな事件が起きるのではないか、など。
そして皆が僕の事を噂しているのが
嫌でも耳に入った。
そんな雑音を掻き消してくれるのは
「風邪?」
などと話しかけてくる由依だった。
「うん、風邪」
「ダメだよ休まなきゃ」
「いや、今日休んだらタイミング悪くね?」
僕は皮肉混じりに言う。
皆んなが僕を噂している。
「何?もしかして、事件って君のせいなわけ?」
「いや・・・」
100%違うかといえば違うけど
僕は何もしていない。
「なら、大切にしなくちゃ。自分の身体」
「あ、ありがとう」
「ところでさ、話変わるけど」
と由依が何かを話そうとした所で
タイミングよく先生が現れる。
「何?」
「後で話すよー」
そう言って授業が始まる。
数学の教師の
つまらない授業。
「来週の春テスには出ない範囲だからな〜」
どよめくクラス。
ああ、そっか。
来週はテスト週間か。
このクラスにいる大半は
その事で頭がいっぱいなのだろうか。
みんな将来の事を気にして
頑張ってるんだろうか。
僕は過去に囚われて
つまらない日々を送るだけだ。
僕は昨日の事を思い返していた。
父と母が在籍していた団体に
宇宙人がいたということ。
なんとなく、創造神の方が
一枚上手だってこと。
神同士の力は、効かないらしいって事。
ちょっとキスしたぐらいで
勘違いしてたけど・・・
椎葉さんの目的は
宇宙人の破壊って事。
破壊って恐ろしいって事。
でも、破壊以外の方法が無ければ
破壊するしかないって事。
それが間違いだってわかる事。
でもそれを否定したくない自分がいる事。
どうしたら良いんだよ。
結局。
顔色ひとつ変えずに授業を受ける小雨さん。
何事も無かったかの様に過ごす椎葉さん。
僕に何かを言いかけた由依。
退屈な日常は椎葉さんの登場によって
破壊された。
最初は楽しいと思ったけど。
今は・・・
退屈な日常に戻りたい。




