(30)解決方法
破壊を企む僕達の前に現れたのは
創造神・下部楽風馬。
サッカー部所属のスラリとして
フィジカルの強そうな体型。
破壊神である椎葉さんと出会う。
これは直接対決的な・・・
向き合うふたり。
夜の街。バス停にて。
「随分とカッコいい男についたみたいだの」
「お前こそ、可愛い女だな」
椎葉さんは手をグーにして
それを下部楽風馬に向ける。
対象を意識し、手のひらを閉じたり
開いたりして、その力を使う。
これは、爆散で破壊する時の所作だ。
「無駄だよ。神同士じゃ、効かないのは知ってるだろ?」
下部楽風馬はそう言いながら
人差し指を杖のようにクルクル回す。
「ゆーこそ、みーに向けたって力は出せない」
「お前にはな」
そう言って
下部楽風馬はその指を天に向けた。
僕の目線がそこにいく。
突如、大きめのバケツが現れて、
それがひっくり返る。
大量の水が椎葉さんに向けて降り注ぐ。
「俺は、想像できるものを創造できる」
それに対する様に椎葉さんはグーの手をパーにする。
バケツから落ちた水の塊が光って
爆発する。
ばしゃあ、と大きな音がして
それは雨みたいに降り注いだ。
僕は濡れる。
びしょ濡れだ。
風馬は傘をさしていた。
「いいか?破壊は1を0にするだけだ。俺の力は0を1にする」
「だからなんなのさ?」
「お前は俺の下位互換でしか無いという事だ」
「そんな事ない」
「何回も言わせるな俺は想像出来るものは、大抵創造出来る。それは俺が死んでも残る。お前は破壊しか出来ない」
「でもゆーの力じゃ、命は救えないの」
「救えない?」
「悪い奴を破壊できない。ゆーは生み出すだけださ」
「・・・地球を救うだの、生命体を保護するだの、それはお前の目的だろう?」
「だとしても、生命を救えるのは、みーの力」
その時、創造神は
僕が少し考えていたことを
代弁するように・・・
椎葉さんに言い放つ。
「破壊だけが解決方法だとは思わないな」
僕もそう思った。
人類の歴史だってそうだ。
遊ばなくなったから捨てる。
不要になったから取り壊す。
悪い民族だから虐殺する。
方法が分からないから殺す。
そういったやり方は
当時正しいと思われたやり方は
人類が進化する度に
悪い事として評価されてきた。
これは・・・
国北が歴史の授業で教えてくれた事。
宇宙人だって、真っ当な事を教えてくれたんだ。
でも・・・
「由依の兄ちゃんさ」
僕は口を出す。
僕もそう思っていたけれど
意見するしかない。
「なんだ」
「でもさ・・・僕の父さんや母さんは・・・そうするしかなかったんだよ」
解決方法が無かった。
だから、殺した。
「どうしたいきなり?・・・あの事か」
「殺すしか無かったんだ。そうでもしなきゃ・・・ブッ壊さなきゃ・・・」
神同士なら力は効かない?
なら、神から力を与えられた僕が・・・
創造神に向かって力を使えば・・・
そうだ。
僕は下部楽風馬に指先を向けた。




