(27)大スターになれたとしても
「これ、どういう組み合わせ?」
それは僕が聞きたい。
校門を抜け、校舎へ向かって歩く。
4人で。並んで。
下部楽由依。
創造神の妹。
僕の恋人に立候補してきた女。
椎葉しい。
破壊神。
退屈な僕と手を組んできた女。
三依小雨。
宇宙人。
僕を奴隷にしてきた女。
そして僕。
人殺しの子ども。
って!
どういう組み合わせだよ!
これ!マジで!
「そーいえばさー、もうすぐ春テスだね」
由依が頭の痛い事を言い出す。
「春テス?なんなのさそれ」
椎葉さんはそれが何なのかを知らない。
「春のテスト週間よ」
小雨さんが冷静に解説した。
「へぇー、テスト週間ね〜」
「しーしーちゃんは知らないと思うけど」
そう言って由依が説明をする。
この中学校独自の謎システム。
春夏秋冬にて別れるテスト週間。
5教科とその他で構成されるテスト期間。
これだけいえば
定期考査と変わらないだろう。
しかし、うちの学校が
他と異なるのは・・・
「このテストで1位を取った人は、推薦入学のチケットが手に入るのよ」
というシステムだった。
「へぇ〜」
椎葉さんの反応は薄い。
破壊神にとって推薦入学なんて
どうでもいいからだと思う。
「3年の学校生活で12回のチャンスがある。チケットの枚数に応じて、良い高校に入れるってワケ」
由依は詳しく説明してるけど
コイツは別に頭は良くない。
「高校受験をパス出来るから、ありがたいシステムよね」
小雨さんはそんな事を言うけれど・・・
彼女は高校受験なんて
考えているのだろうか?
「高校か〜」
なんて椎葉さんは呑気に口を開く。
「私はもう進路決めてるんだ」
由依が言う。少し気になる。
「あら、どこの高校に?」
「南高校だよー。制服可愛いから」
「素敵な理由ね」
女子達の会話に
ついていけないわけじゃない。
ただ、僕には疎外感があった。
周りのクラスメート達が
進路だとか、漠然とした将来を話すと
僕はいつも耳が痛い。
僕は将来のことなんて
考えた事が無い。
というか僕には・・・
僕に将来を選ぶ権利なんて
あるのだろうか?
そんな事を思ってしまう。
僕は曰くつきの人間だ。
きっと、例えば
大スターになれたとしても
過去がつきまとうだろう。
何をやっても。
きっと・・・
あの日、小雨さんが言ったように・・・
人殺しの子ども。
そのレッテルを貼られて
生きて行くんだ。




