(25)手懐け易さ
【scene03:直接対決】
僕の人生の
退屈な日常は
二度破壊されている。
二回目は破壊神の
椎葉しいに出会った現在。
そして一回目は
僕の父や母が
人を殺した日。
父と母は
存在しない神を信じていた。
僕はその神様を信じていない。
僕は信じていないのに。
そんなモノローグに
カットインしてくる空気の読めない男。
アホの小宮。
「おはよう。具合悪いのか?」
僕の顔を見るや否や
そんな事を聞いてきた。
「別に普通だよ」
「ふ〜ん」
そう言ってアホは
ふらふらと違う人の元へ
挨拶をしに行く。
元気がないのは
無理もない。
僕と椎葉さんの悪事は
三依小雨さんにバレていた。
それを隠す為に
僕は小雨さんと取引をした。
僕は小雨さんの奴隷になった。
奴隷って・・・
鎖で繋がれて、労働させられる
あんな感じの・・・
人によっちゃあ
あんな美人の奴隷にならるんなら
ウハウハってもんだけど・・・
いつもの通学路。
学校を休まずに行く僕は
結構なメンタルを持ち合わせていると思う。
歩きながら整理する。
僕はあの日、公園で
破壊神の椎葉しいに出会った。
退屈な日常が終わる気がして
僕は椎葉さんと手を組んだんだ。
僕に課せられた命は・・・
創造神・下部楽風馬と恋仲の
宇宙人・三依小雨さんを彼から寝取る事。
それが当初の目的だった。
宇宙人は破壊しなきゃならない。
この地球を乗っ取るらしいから、だ。
ただ、三依さんは下部楽風馬の力で
簡単には破壊出来ない。
RPGの攻略法的な感じだ。
彼女と神を引き離すことで
彼女を護っていた力を無くす。
その隙に破壊するのだ。
それが目的だったはずなのに。
紆余曲折あって・・・
僕は地球を乗っ取るかもしれない
宇宙人の奴隷になってしまっていた。
そもそも椎葉さんは
あの日、彼女とキスをしてしまってから・・・
彼女は姿を現していなかった。
・・・と思っていたら。
視線を感じる。
というか、隠れきれていない!
電信柱の影から分かりやすく僕を観察している眼。
椎葉さんだ。
僕は変な事を意識してしまう。
あの日、キスしたこと・・・
「おお、おはよう!」
僕は話しかけてみる。
「おは」とだけ。
そう言って、椎葉さんは僕と一緒に歩き出す。
なんだかよそよそしい。
「あ、あのさ・・・」
「初キスだったの」
「へ?」
「みーの初キスは、ゆー」
「だっ!」
朝からコイツ!
何を言ってるんだ!
というか、神様の癖に!
恋愛経験値はゼロなのかコイツ!
って待てよ・・・
ー〝椎葉しいを手懐けなさい〟ー
小雨さんの命令を思い出す。
もしかして、破壊神を手懐ける事は
簡単なのか!?




