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(21)人間の考えること



この理科室の四隅に監視カメラがあったとする。



めちゃくちゃな光景が

映し出されているだろう。


女の子が指で銃を作り

先生に向けて撃とうとする。

それを僕が阻止する。

放たれた手の銃口の先の

天井の電灯が崩れる。



そして

僕はその女の子にキスをしていた。

なんてめちゃくちゃな映像だ。



きっと僕が幼いとき

母や幼稚園の友達と

キスぐらいした事はあるかもしれない。


ただ、その記憶はない。


だから、事実上

これが僕の初キス。


相手は可愛い女の子。

訳ありの女の子。

だって彼女は破壊神。



目を瞑ってキスをした僕。

ああ、このまま破壊されるに違いない。

そう思った。


でも、僕の心臓は動いていて

意識は保たれていて

脳みそは僕の思考を手伝っていた。



唇のその感触を確かめつつ

僕は目を開けた。



目の前に広がる

ゼロ距離の椎葉さんの顔。



彼女は目を瞑ったままだった。



僕は我に帰る。

ばっ、っと力強く、身体を離した。

死を覚悟したとはいえ!

何をやってるんだ!僕は。


「ぬうあっ!」

などと意味不明な言葉を発した僕。


その後、

僕の後頭部がグイっと引き寄せられた。

今度は椎葉さんから。

彼女が再び僕の唇を奪った。



は?



えっ?



僕は顔を離す。




「ちょ!椎葉さん!?」




「人間の考える事っておかしい」

椎葉さんはそれだけ言い放って

フッっと瞬間移動で消えた。




その瞬間。

僕の聴力が戻ったかのように

周りの音が聞こえ始めた。



立ち上がって、理科室の状況を確認する。




「ま、幻か?」

「いや今確かに・・・」

将棋部の先輩達が目を擦っている。

何故かふたりとも顔が赤い。



って・・・

ニキータは!?

僕は地歴の教師、国北を探す。

いない。

彼の破片がある訳でもない。

だから、破壊されたわけではないのだろうか。

逃げていればいいけど。



ふと、周りを見渡す。



理科室のガラスが割れたとなれば

隣の音楽室から騒ぎを聞き立てて

生徒たちが集まるのは必然だった。



半開きの扉に

三依小雨さんがいた。



どこから見ていて、どこまで理解していたのかは

分からない。






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