表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
20/119

(20)1回目のソレ


「・・・負けました」


王手、王手、王手、とじわじわ攻められて。

僕はなす術なく、負けた。

大体、こうなると負けは予測できてしまう。


「お前なー。腕、鈍りすぎ」

生徒に勝利し

笑みを浮かべる国北。



「ありがとうございました」

「もう一局やるか?」

「いや、辞めときますよ」

「なんだよ、やる気ねーな」


ニキータは僕に〝友達を演じて〟喋りかけている。

それが良くわかる。

教師ってのは生徒をよく見ている。

僕にはわかる。


ニキータはあえて

僕との距離を詰めている。


友達のフリをして

僕に近づいている。


本当は喜ぶべきなのに

大人の必死さが僕には見えてしまう。



僕は立ち上がる。

このままでは埒が開かない。

帰りの時間が一緒だからって

小雨さんに会えるとは限らない事を

今更ながら思ったからだ。


放課後、お近づき作戦は全く意味をなしていない。



僕は帰る準備を始めた。

作戦を練り直す必要がある。



「何だよ、帰るのか?」

「用事を思い出しまして」

「そか、また来いよ」


「ありがとうございます」


僕が理科室を出ようと

扉を開いた瞬間だった。

その引き戸を開く。



「別にみーは、破壊するつもりは無かった」



椎葉さんが現れる。



破壊するつもりは、無かった?

何を言ってるんだ?


「何を?」




「調査不足だった。ゆーの近しい場所に対象がいるなら、みーは破壊するしかないのさ」

「何を・・・」



コマ送りで進む、僕の視界。



突如、フッと消える目の前の椎葉さん。

僕は嫌な予感がして、振り返る。

振り返ると、椎葉さんは指でピストルを作っている。



ー〝例えば間違った歴史を教えているとしたら〟ー



椎葉さんの言葉を聞いた時。

予感はしてたんだ。

こんな分かりやすい会話は無い。


僕らの人気者・・・

地歴の先生。国北。ニキータ。

宇宙人。

その身体に

椎葉さんの人差し指が向けられている。


宇宙人は僕らに

分かりやすく、異なった歴史を

教えていたと言うことか。

地球を乗っ取る為に・・・


僕は椎葉さんに飛び込んでいた。



「ダメだよッ!」



椎葉さんの指の所作。

銃を放ったその所作。

僕は椎葉さんに襲いかかるようにダイブ。



ニキータが宇宙人だとしてさ・・・


僕は破壊して欲しくないんだ。


僕に、普通に、無理してでも

接してくれる人。


僕に偏見を持たない。

僕の親の事を偏見に持たない。

少し頑張ってる感じが

覚めるけれど。

この人を悪者とは思えない。


いや、違うか。


きっとニキータは宇宙人だから。

きっと分からないんだ。

だから、優しくしてくれたんだ。


でも、ダメだ。


僕が飛びかかった事で

椎葉さんは倒れる。

指先に向けられた理科室の電灯が

パラパラと崩れていった。



僕は椎葉さんの破壊行為を

阻止してしまった。



この恐ろしい神様の・・・

機嫌を損ねてしまった。

きっと。



ああ

僕はここで破壊されるのかもしれない。



ここで人生終了なのだろうか。

僕は椎葉さんを押し倒している。



「ゆー、何してるの」



もう、どうにでもなれ!


せめて死ぬなら!



せめて死ぬなら!



この可愛い子に!

キスして死んでやる!



僕は強引に・・・

破壊神の唇を奪っていた。




【scene02:1回目のソレ】

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ