(18)ニキータ
地歴の教師。
国北。
通称ニキータ。
確か・・・36歳。
独身らしい。
男で三枚目といった風貌。
格好良くないけど、格好悪くはない。
僕はニキータの授業は真面目に聞いている方だ。
何故なら、面白いから。
歴史の事を、現代の事で例えてくれるから分かりやすい。
そんな地歴教師ニキータが、宇宙人!?
椎葉さんがそんな事を言うので僕は驚きを隠せない。
「ニキータが宇宙人?」
「そうなのさ」
「証拠あるわけ?」
僕はニキータには地球人であって欲しいと思う。
理由は沢山あるけど、宇宙人って事は破壊されちゃうよなって・・・
「証拠があるから、宇宙人認定してるのさ」
「うーん・・・そもそも、椎葉さんはどうやって宇宙人を見つけるわけ?」
「地球には調査員を潜り込ませているの」
「調査員!?」
神が使わせた、調査員って事?
「そう。宇宙人を調べて、見つける役割だよ」
「そんなのがいるのか・・・」
「みーは神だから、調査結果を教えてもらう事が出来る」
「は、はぁ・・・」
「ゆー、理解してる?」
よく分からない。
調査員とやらが
ニキータを宇宙人認定した。
そこまではわかった。
だとして・・・
「ちょっと待って?ニキータが宇宙人だとしたら、ニキータは地球を乗っ取ろうとするワケだから・・・」
「もちろん、破壊しなくちゃならない」
やっぱり。
嫌な予感。
いつ破壊するのか、そんな事聞きたくない。
どうやって破壊するのだろうか。
まさか授業中に・・・なんて・・・
僕が思考を巡らせていると、椎葉さんが続けて語り出す。
「ニキータの心配をする前に、ゆーは三依小雨に近づきなさいよ。分かった?」
「わわわ、分かってるよ!」
「どうやって近づくの?」
「ふん!僕には奥の手がある」
「奥の手!?」
「小雨さんは吹奏楽部!そして僕は幽霊部員の将棋部!」
「それで?」
「これは運命なんだ!吹奏楽部と将棋部は、隣の部屋同士!」
「だからなんなのさ」
「放課後!近付き作戦!」
思いついた、ショボい作戦名。
「放課後、近付き作戦!?」
ちなみに
ニキータは将棋部の顧問だ。