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(17)陰謀論



破壊神・椎葉しいと手を組んでいる僕。


その敵。

創造神・下部楽風馬。


彼は僕の前に現れた。


そして僕に説教をしてくる。

一度でも壊れたものは、戻らない、と。



「分かったか?」



一方的に喋られて、同意を求められる僕。

僕は悩む。

しらばっくれた方がいいのか?という事。




「な、なんの話ですか?」




「破壊についての事だ」



や、やべぇ。バレてる。

「よくわかりません」

「しらを切るつもりかな?」


「アンタこそ、何なんだよ。ああ、由依の兄貴だっけ?」

僕は知ってるけど

なんとなく知ってるフリをした。

苦笑する兄。


「あんな馬鹿と手を組むのはやめるんだ」

「何の事ですか?」

「ふん・・・今はまだ様子を見といてやるよ」

「は、はぁ・・・」

僕は何も知らないを演じるしかない。


「小雨に何かしたら、許さない」

「な、何か?」


「〝人間〟としてだ」


その言葉の意味は分からないけど

僕は正直、少しビビった。

年上の先輩に脅される恐怖。

こういうのには慣れていたけど

下部楽風馬は異様な雰囲気が伺える。




それだけ言い残して

大きな体を揺らしながら去っていく。

体格差、学校での地位

よく分からんけどサッカー部のキック力。

僕じゃ、勝てそうにない。

格闘じゃ勝てないけど・・・


この力があれば・・・

いや、相手は神か。

下手なことをしない方がいいよな。



「おはよ」

目の前に椎葉さんが現れる。

猫みたいな顔。

ショートボブの髪はさらさらだ。


「おはよう」

「どう?力使ってみた?」

「使ってないよ」


「まぁー使わなくても良いけどさ、ゆーはもっと小雨ちゃんに近づかないと」

「わ、分かってるよ」


「なに?不満そうな顔してるね、ゆー」


「いや、そんなんじゃ・・・」

「目的を忘れたの?」

「んなわけないだろ」



僕の役割。

三依小雨さんを僕のモノにする。

恋愛的なそれで。


小雨さんを下部楽風馬から引き離す。

そして小雨さんを椎葉さんが破壊する。



「小雨ちゃんと仲良くならないと」



こんな状況で、ラブコメをしろという椎葉さん。

今の僕の気持ちとの温度差など知らないらしい。



「だいたいさぁ、宇宙人って本当に僕らの地球ほしを乗っ取れるワケ?」



「乗っ取るつもりだよ」



「パパ活してるような宇宙人が乗っ取るとは思えないんだど」


僕には想像がつかない。

この街の西口でパパ活をしている宇宙人達が

この地球を乗っ取るとは思えないからだ。



「歴史の授業は好き?」

「は?急になんだよ」

「テストの点数は良い?」


僕はこの前のテストの結果を思い出す。


「まぁまぁ良かったと思うけど」

「例えば社会の先生が宇宙人だとする」

「は?」


「分かる?宇宙人が人間のフリをして、間違った事を教えてる事が、どれだけヤバい事なのか」


「う〜ん・・・」


「ゆーが知ってる歴史が、本当に事実じゃないとしたら。ゆー達の自国や海外の認識が、歪んでいたとしたら」


「椎葉さん?ナニソレ?陰謀論的な?」


「それが理由で、戦争が起きたりしたら?」


「いやそんな事ないだろ。もしもの話だし」


「うーん、はっきり言うとニキータは宇宙人なのさ」




「え?」




あの人気者教師、ニキータが宇宙人!?



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