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(14)キッカケは電信柱


「やぁ」


放課後。

僕は彼女と出会った公園にいた。

そこにいれば、会えると思った。

その通り、彼女は現れた。


椎葉しい。

破壊神。



「びっくりしたよ」

「何に?」

「転校してきたことに」

「そう?」

「っつーか、椎葉さんは大丈夫なの?その・・・小雨さんと同じクラスって」

「別にみーは問題ない」

「へぇ」



公園を見渡す。

今、僕と彼女はベンチに並んで座っている。

小学生がゲームで通信対戦をしている。

あの日潰された滑り台は無くなっていた。



「椎葉さん。色々聞きたい事があるんだけども」

「なにさ」

「小雨さんは、椎葉さんが破壊神って事分かってるのかな?」

「知らなーい」

「は、はぁ・・・」


少しの間。

静かな時間。

小学生達の騒ぐ声が聞こえる。

そうだ。

気になっていた事がもう一つ。



「下部楽由依って、下部楽風馬の妹だよね。つまり結衣は、神様の妹って事?」

「そうだよ」

「はっ!?」



じゃ、じゃあ!?

結衣は神様なのか!?



「でも、ゆーいは正真正銘の人間だし、兄貴の事を神だとは知らないよ」

「え?」

「兄は兄、妹は妹って事」

「なんだよそれ」



そんな会話をしていた矢先。

僕たちの視界の先・・・

こちらからはたぶん見えない場所に、彼女の姿が見えた。

ただなんの変哲もない道を歩いている。



「あっ・・・小雨さん」


公園のベンチから見ても、小雨さんは美人だった。


「ゆーさ、もっとあの子に近づいてよ」

「正直、キッカケがない」

クラスが同じという以外の接点は無い。


「きっかけ?そんなもの作ればいいのさ」

「どうやって?」



「みーが電柱を破壊する」

椎葉さんは遠くにいる小雨さんの方を指差す。

その道伝いには何本も規則的に立つ

電信柱が並んでいた。


「はぁっ!?」

「倒壊しそうなそれに巻き込まれそうな小雨をゆーが助ける」

「た、助かる!?」

「ゆーはヒーローになる。したら、ゆーの事、好きになるかもよ?」

「そんな簡単な事じゃねーよ」



「まぁ、やってみようよ」



その言葉を聞いた後

僕の視界には椎葉さんはいなくなっていた。

いつの間にか、というか神様のチート能力なのか

知らないけど。

彼女は瞬間移動をしていた。


公園の出口付近にいて、

小雨さんと近い位置にいる。


そして、指先でピストルを作っている。


ちょ!ちょっと待て!

マジでやるつもりかよ!

今すぐ!?やっちゃうの!?


慌てて僕は走り出した。

公園を出るにも、結構な距離がある。


椎葉さんは僕の事なんてお構いないヤツなんだ!

準備というか!間に合わないぞ!



椎葉さんが手の銃をバン、と撃つ。

小雨さんが歩いていく先の電柱が倒れ始めた。



ちょ、ちょっと待て!

僕の位置からじゃ、間に合わない!

遠過ぎる!



突如、倒れる電柱。

それが小雨さんを襲う。



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