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(115)隠し事



その事実に至る理由を。

俺は説明しなければならない。



君の兄。

下部楽風馬について。



彼は幼き日、たぶん由依の言ってた事故で

死んでいた。



でも、その時、たまたま

俺には分からないけど

椎葉さんと同じく概念だった神様が

彼を憑代にした。


だから、風馬は生きていた。

神として生きていたんだ。



兄は宇宙人である三依小雨と恋仲になり

宇宙人の地球乗っ取り計画に加担した。


そして俺と破壊神は手を組み

それを阻止しようとしていた。


結果。



俺は破壊神の力で




「兄貴を殺したんだ」




俺は嗚咽を吐きながら

由依に伝えた。





由依の顔は見れていない。




「ずっと、隠してたの?」


「うん」


「兄貴が死んでたって事も?」


「うん」


「創造神を殺したってことも?」


「うん」


「辛くなかったの?」


「辛かった」



「背負わないで。兄ィは死んでたって事だし」

「でも、間違いなく俺が・・・」


「私だって、出来れば知りたくなかった。だって、あの日、幼い日、私のせいで・・・交通事故に遭って・・・死んでたんだね。あの日。私のせいかな」


「それは違うよ」



「私たち、共犯だね」



どうしてその結論になるかは

俺には分からない。




「違うよ。由依は何もしてない」

「お互い、その現場を見てないからね」

「うん」



「でも、なんか、少しだけ、悪い言い方だけど、気が軽いなぁ、私」

「軽い?」

「だって、共犯だもん。キミも罪を背負ってる」


「うん・・・まぁ・・・」



「だから、この話は、終わり」


終われないよ。

すぐに気持ちを切り替えるなんて

俺には無理だ。




「そっか。兄ィ・・・もう、いないんだね」




そこから由依は

泣き出した。



俺が殺したから

その権利があるかは分からない。



でも俺は震えた彼女を

抱きしめるしかなかった。




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