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ディストラクション・インベーダー・ラヴコメディ  作者: 大野春
【scene:09】 ディストラクション・インベーダー・ラヴコメディ
106/119

(106)痴話喧嘩




僕が解放されるまで。

かなりの時間がかかった。

無断でテレビ局に立ち入ったことを理由に

僕は捕まって、偉い人から連日詰問を受けた。



椎葉さんは

「みーは、しばらく、地球破壊を止めるの」

なんて言って、その後、消えた。



あの日、僕のキス作戦は成功した。

椎葉さんの力を利用して

あの鉄板を破壊した。

地球は守られたし、椎葉さんは

地球の破壊について、少し考えを持ってくれたようだ。



後で分かることだけど

僕がテレビスタジオに侵入してからの映像は

全て中継されていたし、今も動画サイトで

閲覧可能だ。


ネットでは

〝地球を巻き込んだ痴話喧嘩〟と

呼ばれていた。


国民の大半はこの全てのことに

もちろん理解は追いついていない。

宇宙人の存在や破壊神の存在。

そんな事に疑問を持たない人もいる。


ただ、オカルト好きやインターネットを通して

僕があの少年Aである事は直ぐにバレたし

そして椎葉さんが地方ニュースレベルの

失踪した女子高生である事が明かされた。


失踪した女子高生に取り憑いた破壊の神と

神を信じた両親に人生を破壊された僕が

どうしてあの日、あの場所で

キスをしていたのか。


それは僕達にしか分からないし

というか、僕にも分からない。




「だーかーら!僕は地球の為にですね・・・」


何回言っても、頭の硬い大人達は

全くもって僕の言葉を理解しない。


「そもそもだな、宇宙人とは何なのだ?」

「宇宙人ってのは・・・」


説明が面倒になったし

僕も詳しくは知らない。

ただ、これだけは言えた。


「良いヤツもいるし、悪いヤツもいるんです」


答えになってなかったけど。



半年が経過していたと思う。

僕が解放されるまで。

途方もない時間が掛かったし

解放されたとしても、

しばらく連絡が続くだろう。

そんな事を言われた。


ただ、超常現象を理解出来ない大人と

超常現象を目の当たりにしてきた僕とでは


話は平行線を辿る事になると思う。



地球人と宇宙人と神様のゴタゴタ。


一件落着。


そんな風には思えない。


多くの死者・・・

それは宇宙人を含めて

多くの被害者が出てしまったからだ。


生命だけじゃない。

破壊された建物で働いていた人が

職を失ったかもしれない。


考えだせば

止まらなかった。



でも何故か

後悔ばかりじゃなくて・・・


胸を張って生きていける気がしたんだ。




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