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ディストラクション・インベーダー・ラヴコメディ  作者: 大野春
【scene:09】 ディストラクション・インベーダー・ラヴコメディ
104/119

(104)2回目のソレ




僕の人生って

恐らく、凄いんだと思う。

だって、大半の人間が体験していないことを

体験しているからだ。


きっと地球が終わる時とか

死ぬときって、

俗に言う、走馬灯ってやつが

走っているんだ。



生まれてから、あの日まで。



僕は少しだけ

きっと幸せに生きていたんだ。


宇宙人が僕の父と母を洗脳し

この国の総理大臣を銃殺した。


僕は・・・軟禁されて

その解放の瞬間を面白おかしく

報道したテレビのせいで

僕は少年Aとして生きる事になった。


僕を売名の為に拾ってくれた塹江さん。

彼の用意した家で

僕の中学生活が始まった。


けれども。

暗闇のような学校生活だった。


少し、光がさしたといえば

美人の三依小雨さんがいた事。

分け隔てなく接してくれる下部楽風馬がいた事。



そして

椎葉しいに出会った事。

間違いない。

僕の退屈な日常を破壊してくれた。



そこから僕は目的を失って

まともに生きる事を望んだんだ。

それでも、過去はまとわりついて

僕の日常は簡単に破壊されてしまった。



そんな人生だった。

長い人生の、僕のいっときだけだ。

目の前の女の子と

共に過ごした期間って。


その一瞬なのに、僕にとっては

存在が大きかった。



とにかく、地球は終わらせちゃいけないんだ。

地球を続けないと、由依にも会えない。

真鍋さんにも顔を出さなきゃ。

両親にも会えない。

塹江さんとも会話は終わってない。

小宮の墓を建てほうが良いのかもしれない。

僕を助けてくれたばあちゃんに恩返しをしなくちゃならない。



僕は椎葉さんに

提案をする。


そういえば、中学の時。

椎葉さんの破壊を止める為に

キスをしたんだ。


だから、単純な理由。


キスすれば

何とかなるかもしれない。


これが恋愛感情かどうか

分からないけど

他の人と同じくらい、いや

それ以上に僕は

椎葉さんと一緒にいたかったんだ。




椎葉さんも同じ気持ちでいてくれたら

嬉しい。



キスでそれを確かめるんだ。

神様に恋愛感情があるかは

分からない。



「やれるもんならやってみろの」



僕の提案に何故か喧嘩口調の椎葉さん。

これ。テレビ映ってんだよな。



でも僕はお構いなく

椎葉さんの後頭部に手をかけ

唇を重ねたんだ。



そうだ。



これは・・・



僕が恋愛で地球を救う物語だった。

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