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ディストラクション・インベーダー・ラヴコメディ  作者: 大野春
【scene:09】 ディストラクション・インベーダー・ラヴコメディ
100/119

(100)神様の秘密


椎葉しいは

確かにそう言った。

地球を破壊する、と。



僕は思い出す。

宇宙人を破壊したら、どうするの?

その疑問に対し

椎葉さんは秘密とか言ってたけど

もしかして、これが目的だったのだろうか?


地球を破壊するのが、

破壊神の目的?


でも、それならわざわざ宇宙人を破壊しなくても

地球を破壊すりゃ、良かったんじゃ・・・

テレビ画面の椎葉さんは

話を続けた。




ー〝地球はいずれ滅びる運命だったのさ〟ー



ー〝その時、地球人は宇宙に出て、新たな住処を探さなければならないのさ〟ー



ー〝ゆー達は、もうそれが出来るはず〟ー



な、何言ってんだ、コイツ???



ー〝数日の猶予を与えるのさ。その間に、宇宙へ逃げたい奴は、逃げるのさ〟ー



ー〝その後、みーはこの空の上の鉄板を爆散させる。この巨大なものから発する爆発のエネルギーは、地球を終わらせるには充分なのさ〟ー



ー〝なので宇宙に行くべき人を選んで、外へ出るといいのさ〟ー



ー〝みーは逃げも隠れもしない。ここにいるの〟ー



ー〝みーに逆らおうとしても無駄。宇宙人みたいに、粉々にしてあげるの〟ー




なんだっけ・・・

僕はいつしかの会話を思い出していた。

椎葉さんが言ってた、池にレンコンがあって・・・

カメが食べ荒らして・・・みたいな、話。


椎葉さんはレンコンの破壊を選んだんだ。

なんでかって聞いた時・・・たしか言ってたような。



池から出れるのはカメだから。


レンコンは池を出られない。

カメはそのうち池を出る事が出来る。


人間は宇宙人と違う。

人間ならきっと、宇宙に行けるのさ。



どうして僕はこんな、大変な時に

カメとかレンコンの事を思い出しているんだろう。

アホか。



止めに行かなくちゃ。



椎葉さんの破壊を。



テレビの椎葉さんは話を続けている。




ー〝破壊なくして、創造は無いの。破壊して、生物は進化していくの。みーはそれを手助けしているだけ。みーはそうやって、沢山の惑星の生命の進化を担ってきたの〟ー



随分壮大な話だ。




ー〝恐竜が死ぬ隕石が落ちてきた時、その時に付着していた生命体。それは元々別の星にいた生命体。みーが同じような破壊行為を繰り返して、やってきたに過ぎないの〟ー



ー〝ゆー達は地球を離れて、次にどんな進化をするのか、楽しみだの〟ー






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