6話 友達の友達も友達
「おはよう、田中さん。」
「うん、おはよう鈴木くん。」
「今日は相羽さんたちのところに行かなくていいの?」
「うん、なんか最近ちょっと喧嘩しちゃってね。」
「仲直りできるといいね。」
「うん……少し時間を置いてから話にいくよ。」
前回の席替えで隣同士になった僕と田中さん。一週間たったけど、元々音楽の話題で盛り上がったように意外と共通点が多かった僕たちはすぐに仲良くなれた。
田中さんが僕と話してくれるようになったおかげか、席替えをして席の近くになった人たちも話にきてくれた。
そして、僕は席の近い人たちと仲良くなれた。
だから僕は田中さんにはとても感謝している。なんとか田中さんに元気になって欲しいけどお友達と仲直りするのは田中さん自身が行わないといけないしなとお見ながら僕は授業が始まるのを待っていた。
◇◇◇
一時限目が終わり、僕は授業中に考えていた案を実行する。
「田中さん、お昼休み時間ある?」
「うん、あるけど……」
「じゃあ、お昼一緒に食べない?この前言ってた音学の趣味の合う友達を紹介するよ。」
「ほんと!それは良かったよ。でもなんかごめんね。私が落ち込んでたから誘ってくれたんでしょ?」
「う〜ん、慰めようとかは考えてないけど、僕がクラスで友達と会話できるようになったのは田中さんのおかげだからね。」
「そんな気にしないでよ!私も音楽の趣味が合う人と仲良くできて嬉しいしね。」
◇◇◇
授業が終わり昼休みになり僕と田中さんは僕がいつもご飯を食べているところへ行く。
「よお、拓朗。なんだ、今日は田中さんも一緒か。どうやら噂どうり仲良しみたいだな。」
「やぁ、旭。うん、そうなんだけど田中さんも一緒で大丈夫だよね?」
「あぁ!この伊藤旭様は気にしないが、田中さんは良いのか?」
「うん!問題ないよ!それに前から鈴木くんから話を聞いたりしてたからあって見たかったの。」
「そうかい。なら全然いいよ。それよりも拓郎は田中さんに何話したんだよ!」
「う〜ん、好きなバンドとかかな。正直僕と田中さんの話題って音楽に関することばっかなんだよね。」
会話をしつつ僕たちは旭と合流してご飯を食べる。
「はぇ〜、拓郎と音楽の趣味が合うなんて珍しいよな。」
「間違いないよ、田中さんは本当にいろいろ聴いてるよ。僕もおすすめしてもらって最近聴いてるしね。」
「私は一つのバンドとかジャンルに執着してないだけだよ。それにマイナーバンドだけ聴いてるとイキってると思われるし、いろいろ興味があるんだ。」
「なんか納得したよ。マイナーバンドきてるって言うと最初はなんかイキってるって思われがちだよな。」
「わかる。僕も旭以外と話すと変な顔されるもん。」
「お前はまず外見をしっかりしろ。」
楽しく音楽の話題以外も話しながら昼休みも過ぎていった。
◇◇◇
「鈴木くん、今日はありがとうね。伊藤くんとも仲良くなれたし、仲直りする勇気も貰えたよ。」
「ううん、気にしないで。仲直り頑張ってて言うのも変だけど、良い方向にいけば良いと思うよ。」
放課後に田中さんが僕に宣言するように感謝を伝えた。どうやらこの後仲直りのために行動するらしい。
今日は久々に一人で帰宅する。
なんかちょっぴり寂しく思うのだ。