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36話 プラマイ0

駅の構内に入った僕たちはこの後どうするかを悩んでいた。

「すずさん、この後どうする?すずさんのお家に着いていくって言う約束だったけど……」

「うん。大丈夫だよ……。でも一人で居るのは少し寂しいから一緒にいてくれると嬉しいよ。」

「わかったよ。なら、今日もすずさんの家で昨日のように勉強会をしようか。」

「うん。ありがとう。」

僕たちは駅を少し見て回った後に二人ですずさんの家に向かう。その間も二人で会話をしていたので最初の頃のような変な間もなければ二人の間にできる沈黙も心地よくなっていた。

「今日はいつもより早めにいこうと思ったからさ〜、朝結構早く起きちゃってご飯食べた後国語の課題全部終わっちゃったよ〜。」

「そうなんだ。それはよかったね。僕は今日は少し遅めに家を出ようと思ったから空いた時間を数学の勉強に当ててたよ。」

「もしかして苦手な教科は私と勉強会するときにやろうと思ったから得意な教科からやっちゃった?」

「えぇー!なんでわかったの??確かに苦手な教科は家で一人でする気出て来なかったからそう思ったけど……。」

「それはねぇ〜……私もおんなじ考えだったからだよー!」

すずさんは貯めに貯めてまさか僕とおんなじことを考えていたことを僕に告げた。わざわざこんなに貯めて言うなんてとても可愛いじゃないか。

「どうしたの?そんな顔を背けちゃって?」

あまりのすずさんの可愛さと笑顔をやられた僕はすずさんから顔を逸らしてしまった。すずさんは顔を合わせてくれないことで悲しい顔をしてしまっている。

「ご、ごめんね。別に僕はすずさんと理由が同じなのが嫌だったんじゃなくてちょっと……その……すずさんの笑顔が可愛くて……な、なんか変なことを言っちゃって……。」

すずさんはしばらく顔を赤くしたまま何も言ってくれなかった。はぁ〜、ここはしっかりとした理由を伝えたほうがいいと思ったんだが、今まで友達だと思ってた男からこんなことを言われるのは少し不愉快だったのかな。

その後二人はしばらく無言でいたが、それからは今まで通り音楽お話やテスト、昨日帰宅して何をしていたのかなんて会話をした。

◇◇◇

先輩に何を言っても無駄になってしまうほどに先輩は私のことを全然理解してくれなかったのに拓朗くんはパパッと解決してしまった。自分の危機を救ってもらう……今回のはちょっと特殊だけど王道で考えると自分がナンパされて困ったいるところを好きな子に助けて貰ったようなものだ。ナンパなんてされたことないですけどね。それでも最悪な1日になってしまった。拓朗くんはきっと昨日私が拓朗くんよりも後に来たことを気にするかも知れないと思って今日は遅く来たのに……。自分が遅く来たせいで私が困ったなんて思ってほしくないな〜。そんなことを思いながら私は拓朗くんと一緒に少し駅の中を回ってから私の家に向かった。そのとき、今日最高の出来事が起きてしまったのだ!それは私の笑顔が可愛くて顔を直視出来ないと言って顔を背けてしまったのだ!拓朗くんに私のことをどうやって意識させようか悩んでいたけど今日は少し私のことを意識してくれたようで、私の気分は最高潮になってしまった。でもその前に可愛いなんて拓朗くんに言われた私は恥ずかしくて拓朗くんに話しかけることはできなかったけど……私、顔赤くなってなかったかな?

その後はもう私はたちは今まで以上に会話をしていた。もちろん、お家についてからはちゃんと勉強をしました。拓朗くんは紳士的なのか遅くならないうちに帰宅していきました。いつか一緒にお泊まりなんかできたらいいな。なんてね。

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