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12話 気づき

初めまして、さくらイです。本作をスマートフォンで閲覧する際、文字が詰まっているように見えるため、改行を多用するようにしました。今まで更新してきた回については後日間隔を変更します。よろしくお願いします。

「鈴木くんの伊藤くんもなんか申し訳ないね。ご飯食べる時間減らしちゃって。」

「気にしないでね。」と僕が答え、「俺も気にすんな。」旭も気にしていないみたいだ。

「そういえば、鈴木くんってギター弾けるんだね。」

「うん、音楽聴いてて興味が出てね。」

ギターを弾いていることは内緒にしてる訳でない。本来なら僕は学校始まりの自己紹介で言うつもりであった。

それなのに、一週間も学校を休んだせいで出来てない。

「まぁ、音楽をしてたら興味もっちゃうよね〜。いつからやってたの?」

「僕は小学校入ってすぐの頃から始めたかな。確か旭もこの頃だよね。」

「そうなんだ。旭くんもその頃からギター始めたの?」

「いや、俺は拓郎とは違ってギターはやってないよ。」

「そうなの?じゃあ、何の楽器してたの?」

「ベースだよ。まぁ、ベースギターって言われることもあるみたいだけどね。」

「なるほどね。そう言えばさっきギター始めたの最近って言ってたもんね。」

僕たちはいつも通り食事を行った。

◇◇◇

__放課後

僕たちは職員室の前で、決闘システムの手続きをした。

「先輩、手続き終わりましたけど大丈夫ですよか?」

「あぁ!問題ないぜ!お前のベースは俺がもらっておくからな!」

「そんなことにはなりませんよ」

先輩は下品に笑いながら去っていった。

「とりあえず、田中さんも旭も帰ろう。今日から本気で練習しないと負けるかもしれない。」

「拓朗が負ける訳ないだろ〜。ま、真面目なとこがいいとこだ。帰るぞ!」


決闘システムを申し込んだ時、実は軽音部の顧問に言われたのだ。「あいつは性格は最悪だが、技術は確かだ。そこら辺にいるインディーズのギターよりもだ。」これを聞いて僕は自分のことを言われていると思った。

確かに、僕のバンドは周りのバンドよりも売れている。だから今回のバトルも少しは自信があったのだ。テスト前に「勉強全然してなーい。」って言ってるものと同じだ。


本当は勝つ自信はあった。多分、旭も僕が必ず勝ってもう田中さんに先輩を近づけさせないようにするためにベースを賭けてくれた。何があっても負けは許されない。それに、最近結成記念ライブが成功したり、田中さんのおかげで知人が増えたことによって僕の気が緩んでいたのかも知れない。これでは先輩に勝つことも、バンドをもっと大きくさせるなんて不可能だ。今日今すぐにでも帰宅してからギターの練習をしようと決意した。

◇◇◇

「おにぃ、おかえり。ん?今日はなんかいつもみたいに楽しそうじゃないけど何かあったの?」

「あぁ、琳不甲斐ない兄を許してくれ。」

「え、ええー!!ど、どうしたの!!おにぃ!説明して!」

「あぁ実は前仲良くなったこと先輩がトラブルになってな。」

琳に今日あったことを説明した。何と情けないことか。今までの自分に対し反省したら、今度は周りの反応が見えていなかったらしい。これではダメだ。もっと強くならないと。


「琳、今日から強化週間を二週間行う。」

「わかったわ。正直納得したくないし、おにぃはギター十分上手いからそんな心配しなくてもいいと思うけど、おにぃが決めたことなら従うよ。頑張って!絶対成功させなさい。」

「わかりました!」


こうして不甲斐ない自分を倒すため、そして、先輩よりもギターのテクニックの見いに付けるために地獄の強化習慣が始まった。


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