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しばらく三人で楽しく談笑していると屋敷の方から領主のキースが歩いて来るのが見えた。



フリージアもキースに気付き微笑みを浮かべて出迎えた。


「キース!お仕事はおわったの?今日は仕事が立て込んでるから顔を出せないかもって言ってたけど?」


「フリージア。大丈夫だ、うちの部下は皆優秀なんでね急ぎの案件は全て片付いたよ。それよりも、ルリ殿。ようこそ我が家へ。わざわざ遠い所来てくれてありがとう。妻もルリ殿の薬のお陰でこの通りお茶会を開けるくらいには元気になったよ。本当にありがとう。」



そう言ったキースはルリに深々と頭を下げた。



それを見たルリは慌ててキースに頭を上げる様に促した。



「頭を上げてください!領主であるキースさんが平民に頭を下げるなんて回りに知られたら大変な事になります!」


ルリの慌て様にキースも気付き頭を上げた。


「別に平民だから頭を下げちゃダメなんて事はない筈だ。本当に謝りたい時や感謝したい時は立場やプライド関係なく頭は下げるべきだと私は思っている。だからルリ殿も私の感謝を素直に受け取ってくれると嬉しい。」


そう言われたルリは少したじろいだがキースに言われた通りに素直に感謝を受けとる事にした。


「わかりました、感謝はちゃんと受け取ります。ですから、もう頭は下げなくて大丈夫です。私も薬師としての仕事を行っただけですから。」



「だが、愛する妻を助けてくれたのだ。やはり何かお礼をしたいのだが何か欲しい物はないだろうか?」



「大丈夫ですよ、お礼なんて。薬師としての仕事のうちです。特に欲しい物も思い浮かびませんし。」



「だが、それでは私の気が済まないのだが・・・。」



そう言って食い下がらないキースを妻のフリージアが嗜めて、キースを止めた。


「アナタ、そんなに押し付ける様にお礼を贈ってもルリさん達が困ってしまいますよ。今は何も浮かばない様ですし、何か欲しい物が出来たら声をかけて頂く方が宜しいのではないでしょうか?ね!ルリさんもそう思うでしょう?」



フリージアに助け船を出されたルリは素早くそれに同意し、キースを宥める事に成功した。



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