78
お互いの自己紹介が終わり、ルリはフリージアに促されてお茶会の席に座った。
ルリが席に着くと側に待機していた侍女が手早く紅茶を入れてルリの前に置いた。
その紅茶を見てルリは手土産に持ってきたハーブティー等を思い出して自分のポーチから取り出した。
「そう言えば、手土産に私がブレンドしたハーブティーとハーブを練り込んで作ったクッキーを持ってきました。高価な物ではありませんが、体の調子を整えたりリラックス効果がある物なので良ければお召し上がりください。」
そう言ってルリは手土産を差し出した。
ルリの言葉を聞いてフリージアは瞳を輝かせてルリの手土産を受け取り側にいた侍女に早速クッキーを食べる様に頼んだのだった。
「ありがとうねルリさん。貴女から頂いた薬は大変素晴らしかったわ。今日のお茶会を開いたのも直接お礼を言いたかったからなの。本当なら私から会いに行くべきなんでしょうけど、夫や屋敷の皆が許してくれなくて。ですから、招待状を出して屋敷の方に来てくれる様に頼んでしまったの。本当にごめんなさいね。」
それを聞いたルリは一瞬呆けてしまったが、直ぐにフリージアがまだ病み上がりな事等を思い出した。
「いえ、フリージア様はまだ病み上がりですから私が住んでいる湖まで来るのは大変かと。私は竜と同居していて移動はその竜に乗ってしているので森を抜けるのは苦ではありませんので大丈夫です。それで、宜しければその竜もこのお茶会に参加させたいのですが・・・大丈夫でしょうか?」
ルリは魔法で姿を消しているシロがお茶会のお菓子を気にしているのに気づいていたので、思わずフリージアにお茶会参加の了承を得ようとした。
「まぁ!噂の小竜ちゃんね!侍女や屋敷のもの達が街で人気だって話していて是非私も会ってみたかったのよ♪一緒にお茶を飲めるなんて光栄だわ!是非参加してちょうだい♪」
フリージアのその言葉を聞いたルリはホッと胸を撫で下ろしてシロに魔法を解く様に促した。




