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ルリ達はしばらく歩いて乗り合い馬車にのり領主の館近くで降りた。
領主の館の前に到着するとルリは羽織っていたローブを脱いで水色のワンピース姿になってから門番に声をかけた。
「すいません。今日、お茶会をするので来て下さいと招待状を頂いたのですが屋敷の方にに取り次いでもらえますか?」
「お茶会?君が?確かに今日はお茶会が開かれるが素性のわからない者を屋敷の中に通す訳にはいかない。それに、お茶会に来る者は先ほど領主様の方からお迎えの馬車を出されたので君の様な歩いて来る筈がない。」
そう言って門番をしていた兵士が手に持っていた槍でルリ達の行く先を塞いだ。
ルリは少し頭を悩ませてから、持っていた招待状を見せる事にした。
「え~っと、たぶん馬車で迎えを出されたのが私だと思います。行き違いになってしまったみたいですね。招待状もあるので良ければ確認して貰って構いません。ですから、屋敷の方に取り次ぎをお願いします。」
ルリは持っていた招待状を門番に差し出して再び取り次ぎをお願いした。
門番の兵士は訝しげな顔をしながらルリの持っていた招待状を受け取り、招待状の中を確認した。
最初は訝しげな顔をしていた兵士だったが、ルリが持っていた招待状に不備や怪しい所が無いのがわかり、近くの兵士に声をかけて屋敷の者にルリの持っていた招待状を確認したもらう様に頼んだ。
「君が持っていた招待状は確認した。キチンと領主様のサインが入った物だったが、一応偽物かどうかの確認をする為に屋敷の者に見てもらう事にした。それまで、しばらく待つように。」
そう言われたルリ達は大人しく確認が終わるのを門の前で待つのだった。




