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いきなりのハンスの登場に軽いパニックを起こしたルリだったが、直ぐに正気に戻り自分とシロの紹介を済ませて家の中に案内した。
家の中に案内したルリはテーブルの椅子を勧めて自分もハンスの向かいの椅子に座った。
とりあえず、用意していたお茶やお菓子をハンスにススメて何の用事で此処に来たのか尋ねた。
「お~このお茶ウマイなぁ~♪あんまり苦くないし子供でも飲みやすい!街の方でも売ってるのかコレ?」
「いえ、このお茶は私のオリジナルブレンドなので街では売ってないです。もし欲しいなら少しお売りしますよ?」
「ホントか!じゃあ、少し売ってくれ!このお茶が好きそうな奴が居るから土産にしたいんだ。」
「わかりました。では、お帰りの際に包んでお渡ししますね。それで、ハンスさんは今日はどの様なご用でいらしたんでしょうか?何かご病気ですか?」
「イヤイヤ!俺は元気いっぱいだよ!今日はお礼と直接薬師の魔女に会って見たかったから来ただけなんだ。すまんな、突然やって来て。」
「お礼ですか?会って見たかったて言われるのは光栄ですけど、私はコレと言って特別な人間ではありませんよ?そこら辺に居る薬師と対して変わりません。」
「謙遜しなくていいぜ。魔女さんのお陰で長いこと臥せってた母が元気になって普通に食事できる様になったんだから。そこら辺に居る薬師にそんな事は出来ないんだから誇って良い。」
「あ、ありがとうございます。そう言って貰えると嬉しいです。今後もそう言って頂ける様に薬作りに励もうと思います。」
「魔女さんはマジメだな~。俺も一応貴族の端くれ何だけど、普段から冒険者や領地のガキ共と一緒に居るせいか言葉使いが悪くなったって幼馴染にいっつも注意されちまう。」
「そうなんですか。私も普段は言葉使い悪いですよ?街に住んでる方達と対して違いがありません。私が丁寧に話す時は患者を診る時や薬を売る時だけです。まぁ、貴族の方にも一応敬語を使う様に心がけてますけど。」
「おいおい、貴族が一応って(笑)一応じゃない時もあるのかよ?(笑)」
「まぁ、貴族として敬うに値しない人や人として人道に反している方には薬も売りませんし、敬語も使いません。師匠にソコの所はキチンと言われて育ちましたから。」
「ふ~ん。お師匠さんね~。厳しい人だったのか?」
「まぁ、飴と鞭が上手な人で感情を出すのが苦手な人でもありました。でも、とても愛情深い人でしたよ。そんな人だからこそ私も中々側から離れられなくてよく困った顔をさせてしまいました。」
「そっか、お師匠さんが大好きだったんだね。俺も先代の魔女殿に会って見たかったなぁ~。祖父母の話でしか聞いたこと無かったからどんな人か凄い気になってたんだけどなぁ~。」
「お師匠は今年の3ヶ月前に亡くなってしまいました。残念ですが会わせる事はできません。王都に行く機会がありましたらお墓の方に是非立ち寄って見て下さい。カルセドニー家の方がお墓を訪れてくれたらきっと師匠も喜ぶでしょう。」
そんな風にお茶を飲みながら先代の魔女の話やハンスの母親の容態等を聞いて時間が過ぎていった。




