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ルリ達の前に出てきたガイは気まずそうに視線をさ迷わせた後、一度ギュッと目をつぶりルリ達に向かって頭を下げた。
「失礼な事を言って悪かった!すまん!」
ルリは頭を下げたガイを見てため息をつき、ガイに頭を上げさせた。
「はぁ~。頭を上げて下さい。私は別に気にしてません。私の見た目も年齢も若いのは確かですから、この街に来るときに貴方の様に言われるのではないかと予測してましたし。言われた事を一々気にしてたらきりがありませんしね。それよりも、自分が悪いと反省してらっしゃるなら今後に生かして人を見た目で判断しない様に気をつけて下さいね。まぁ、若い小娘にこんなこと言われるのも嫌かもしれないですけど。」
「イヤ!今回は俺が悪かったのはわかっている。今後あんたを小娘だってバカにするつもりはない。だから、あんたの忠告もしっかりと心に刻む混む。本当にすまなかった。」
こうしてガイはルリに対して深く謝罪してこの場は丸く収まった。
すると、ジーッと黙って聞いていたシロがしびれを切らしてルリに話かけてきた。
「ルリ~。まだ終わんないの?堅苦しい話ばかりで疲れちゃうよ~。」
いきなりシロが喋りだしたのを聞いていた隊長のエーリッヒ以外の兵達が驚きで息を飲んだ。
兵達が驚きを隠せないでいると、いち早く正気に戻ったユリウスがルリに話かけた。
「ル、ルリ殿。そちらの竜はルリ殿が契約している獣魔だと思うのですが、言葉が話せるのですか?」
「はい。この子はシロって言って、私と契約している竜です。この子は知能が高いので言葉も話せるし、敵対行動を取らない限り攻撃をする事はありませんので安心してください。」
「そうだよ~。僕ってば頭良いんだから♪所謂、天才ってやつだね♪だから、攻撃してこないでね~。」
「シロ、天才は言い過ぎじゃない?確かに貴方は頭が良いけど、興味がある事以外勉強し様としないじゃない。しかも、勉強嫌いで直ぐにどっかに行っちゃうじゃない。そう言うのは天才って言わないのよ?」
「も~ルリってば、勉強嫌いの事言わないでよ~。ここは天才だって事にしといて皆を驚かせる所でしょ~。」
「だけど、嘘は良くないわよ。貴方が天才だって思われて周りが色々貴方に難しい質問してきたらどうするの?それこそ、めんどくさい事態になるわよ?」
そんな風な雑談を交わしてるルリとシロを周りの兵達は呆気にとられて見ているだけだった。




