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「キノコにゃ素敵な毒がある~♪ブツブツドロドロキノコだよ~♪」
「ふふふ(笑)何その歌。シロったら何処で覚えてきたの?」
キノコの下処理を終えてお茶を飲んでいたら、お菓子を食べてご機嫌になったシロがいきなり歌い出した。
「う~ん。毒キノコのうた~。即興で作ってみた~♪」
「うふふふ。即興にしては上手だったよ。シロってば歌の才能あるんじゃない?」
「え!本当♪でも、僕あんまり歌知らないんだよね~。ルリは何か歌知ってる?」
「う~ん。私もあんまり知らないかなぁ~。小さい頃から薬ばっかり作ってたから歌とかオシャレなんかは無縁なんだよねぇ~。」
「あ~そう言えばそっか。それなら、こっちに来た機会にオシャレに挑戦してみたら?恋人とかできるかもよ?」
「オシャレはしてみたいけど、恋人はいらないかなぁ~。今は仕事に専念したいし。ガツガツし過ぎても疲れちゃうしね♪」
「そっか~。いつかルリの結婚相手に会うの楽しみにしてたんだけどなぁ~。」
「結婚相手って飛躍し過ぎじゃない?恋人すら居ないのに」
「だってルリの結婚式でフラワーシャワーするのが夢なんだもん。ドレス着たルリに空から花をたくさん降らせるんだ~♪」
「え!そんな夢もってたの?初めて知ったんだけど?嬉しいけど、その夢は当分お預けかな。」
「う~ん。こればかりはしょうがない。我慢しよう。僕の番探しも時間かかるしね」
「番ねぇ~。シロも大きくなったら番探しに行くのか~。私が生きてるうちにシロのお嫁さんに会えたら良いなぁ~♪」
「う~ん。僕も頑張るけど、竜は基本のんびりしてるから探すのも時間かかるよ?僕も頑張って早めに探す様にするね」
二人の未来に思いを馳せてこの日のお茶の時間は終わった。




