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ルリが兵に毒を体内から取り除く方法を教えても良い、と領主のキース返事を書いて2日後。
今度は衛兵の隊長であるエーリッヒから手紙が届いた。
内容は教えてもらえると言うルリへの感謝と教える人員の選別等で少し時間がかかると言う事だった。
人員が決まり次第ルリに連絡が届き、それから教える日程を決める事になった。
ルリは兵に教えるまで時間が空いたので、街に卸す薬を量産して同時進行で兵達に分かりやすく教える為に習得方法の手順を書いた本を作る事にした。
しばらくそんな日々に終われていたルリだったが、ついに街で薬を売り出す日になった。
「は~~。緊張する。心配でいっぱい作ってしまったけど、売れるかなぁ~?売れなかったらどうしよう・・・。」
ルリは作った薬を納品する準備をしながら、シロに愚痴をこぼしていた。
「大丈夫だよ。街では魔女の噂で持ちきりだったからきっと売れるさ♪」
シロもルリの愚痴を聞きながらそれとなくフォローして、荷物を運ぶ手伝いに勤しんだ。
「街で噂って何でシロが知ってるのよ?それに、薬の売れ行きと噂って関係あるの?」
「ふふふ。最近ルリが忙しそうだったから散歩がてら街に行って色々見てきたんだぁ~♪その時にルリの話をしてて、魔女の薬なら試しに買ってみようって人が結構居たんだよ!ああ、僕はちゃんと気配や姿を消す魔法使ったから誰にもバレて無いから安心して♪」
「え!試しに買ってくれるってのは嬉しいけど、私が忙しく薬作ってるのにシロだけズルい。私も街の中色々見たかった・・・。」
「だって、ルリってば薬を作ってる時に集中してて誘いづらかったんだもん。今日は薬を納品したら予定無いんだから、その時に観光しよう。僕が色々案内するよ!」
「まぁ、集中してた私も悪かったけど・・・やっぱりズルい。観光する時はしっかり案内してよね。さぁ、準備も出来たし出発しようか。」
こうして、ルリは作った薬を売る為に街へと向かった。




