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ルリはルイーゼの家を出て元来たきた道を戻り、砦の門にたどり着いた。



門の所にはルリに言われて検問した衛兵がいて話しかけてきた。



「あ!魔女様。先ほどは此方の衛兵が大変失礼しました。衛兵は此方の方でしっかりと教育しておきますのでご安心を。それで上司の方に報告した所、今後の為に魔女様と顔を合わせて話をしたいとの事でした。もし、お時間が有るのでしたら少し立ち寄って下さいませんか?」



「まぁ、少し位なら立ち寄っても問題ないですよ。顔を合わせるには何処に行けばいいですか?」



「あ、ありがとうございます。それでは、上司の居る部屋まで案内するので私に後に付いてきて下さい」



そう言って衛兵を先頭にルリは砦の中に入っていった。



2階へ上がりしばらく歩いて行くと一つの部屋の前で衛兵が止まり、ノックをした。



「隊長!魔女様をお連れしました」



ノックをして直ぐに中から「入れ!」と返事があり、ルリは案内してくれた衛兵と一緒に部屋に入っていった。



中に入ると正面に書類が山積みの机があり、その手前には応接様のソファーと背の低いテーブルが置いてあった。



ルリ達が部屋に入ると、机に向かって書類を読んでいた短髪で黒髪を後ろに撫で付けた眉の所に傷がある男が机から立ち上がりルリ達を向かい入れた。



「魔女殿良く来て下さった。ありがとうございます。魔女殿の事は領主様の方から聞き及んでいます。色々とお話したい事は有りますが、先ずは謝罪を。此方の衛兵が急患で急いでいる魔女殿に失礼な態度を取ったとか、誠に申し訳ない。あ奴には私の方からちゃんと叱って罰を与えて置いたので二度とあの様な事が起きないと思います。本当に申し訳なかった。」



「私の方からも、本当に申し訳ありませんでした。同僚の失態を止められなかった私にも謝罪させて下さい」



ルリはいきなり自分よりも年上の男2人から頭を下げられて慌てて頭を上げるように言った。



「頭を上げて下さい!私も急いでたとはいえ言葉や態度が荒くなってしまいました。あなた方が謝るなら私も謝らなければいけません。失礼な態度取って申し訳ありませんでした」



ルリが謝ったら事で今度は衛兵が慌ててしまい、お互いが頭を下げて謝り続けるという変な構図が出来上がってしまった。



しばらくして、お互いの謝罪を受け入れるという形で収集することになった。



「魔女様、あのつかぬことをお聞きしますが、急患と言っていた方は助かったのでしょうか?少し気になってしまって。もし喋っても差し障りが無いのでしたら教えて下さいませんか?」



部屋まで案内してくれた衛兵が一度退室して、戻って来てソファーに座るルリと隊長と呼ばれた男にお茶を出して聞いてきた。



「ああ、喋るのは問題ないですよ。急患の女の子でしたら急いでた治療したので命に問題はありませんでした。後一歩遅かったら危ない所でしたが」



「そうですか、良かったです。それで、その女の子はちゃんと治るのでしょうか?」



「ちゃんと薬を飲んで安静にすれば、また走り回る位には元気に治りますよ。でも毒草を食べて治療するまでに日にちが空きましたからね。体に回った毒を全て抜くには時間がかかりますね。しばらくは私が定期的にあの子の元に通って治療しなければなりません。その時はまた此処の門を通るので宜しくお願いしますね」



「毒!女の子は毒草を食べていたんですか!何でまた?何かに紛れ込んでたんですか?もしそうなら我々衛兵も調査しなくては」



「すまんが魔女殿、毒草がどういった経緯で食べられたのか教えて貰って構わないだろうか?もし、店で買った物に紛れ込んでいたとなったら一大事なのだ。」



「安心して下さい。毒草を摘んできた犯人にはしっかりお説教して来たので。患者の女の子と幼馴染の女の子だけで山菜取りをして間違って毒草を摘んできたみたいです。家族にも言わずに二人だけで行ったので、山菜と毒草の区別がちゃんと出来ていなかった様で間違って摘んできたみたいです。一応食べた疑いがある人達は私の方で診察して問題ないと判断して来ました。毒草を食べた女の子も今は体調も安定して寝ていると思うので問題ないでしょう。他に何か聞きたい事はありますか?」



隊長と呼ばれた男は診察した女の子の家の場所を聞いて、ルリと患者の家族両方から確認を取ると言って色々質問をしてお茶を持ってきてくれた衛兵をアンの家とルイーゼの家に向かわせた。



ようやく質問等が終わり、衛兵が部屋を去ってから自己紹介していない事に気付き慌ててお互いに自己紹介を始めた。



「私はこの砦の警備をしていて、隊長を勤めるエーリッヒと言います。以後宜しくお願いします。大抵はこの砦で警備や書類仕事をして居ますので何か有りましたら門の衛兵に言ってください。直ぐに私に話が通りますから。」



「私は今代の薬師の魔女、ルリと言います。普段は湖の島に居ますので何か有りましたら伝達魔法で知らせて下さい。此処からだと少し遠いので。一応定期的に薬を街に売りに来るので急ぎじゃ無ければその時にお話して下さっても構いません。街を行き来する時は私が契約している竜に乗ってするので、衛兵の皆さんや街の方々に認知させて下さると助かります。一応領主の方には話を通して有りますのでご安心を」



「なるほど、定期的に魔女殿の薬を買えるのですね助かります。竜の方は問題ありません。領主様からお話は聞いてますので。今回は初めて見る竜に驚いて現場が混乱してしまいましたが、次回からは差ほど混乱せずに街に入れると思いますのでご安心下さい。それで、魔女殿の薬は何処の店で買えるのでしょうか?」



その後は薬を売る店の話や薬の種類、定期的に砦に薬を卸す事は可能かどうか等色々と話をして時間が過ぎていった。



「そう言えば魔女殿、体に回った毒はどうやって外に出したのですか?毒草を食べてから時間が経っていたのなら吐き出すのは無理でしょうし?不思議に思ったのですが?」



「ああ、魔力を使って口から吐き出させたんですよ。自分の魔力を毒に侵されてる人の体全体に行き渡らせて魔力で毒を探しだし、見つけたら自分の魔力に毒を絡めとる感じで魔力に乗せて口から吐かせる様に移動させるんです。凄く集中力がいる作業ですが、大体の毒はこれで抜けます」



「なんと!そんな方法が。それは私でも出来るでしょうか?出来れば他の者にも教えて何か合った時に対処できる様にして置きたいのですが。」



「う~ん。出来るかどうかはわからないですね。何せ精密な魔力操作が出来て探知能力が高くないと難しい作業ですから。私もコレを習得するのに5年かかりましたし。直ぐには無理だと思いますよ?それに、領主であるカルセドニー家にも許可を貰わないと教えるのはダメだと思いますよ?」



「ああ、そうですね。領主様でしたら多分問題ないと思いますよ。この領地には大きな森がありますからその分魔物の心配が多くて、毒を持つ魔物等も我々兵士に取っては脅威なので毒に対処できる方法が有るなら領主様は喜んで下さるかもしれません。習得が難しいのはわかりましたが、領主様に許可を頂きましたら我々に先ほどの方法を教えて下さいませんか?勿論、教えて頂けるならお金はキチンとお支払します。どうでしょうか?」



「そうですね。領主であるカルセドニー家が許可を出したなら教えるのは問題ありません。ですがさっきも言った様に習得するには時間がかかるので、ちゃんと本気で努力出来る人だけにお教えします。その辺は隊長であるエーリッヒさんに人選をお任せしていいですか?」



「はい、問題ありません。ありがとうございます。領主様の方には私の方から報告して置きますのでご安心して下さい。許可がで次第ご連絡します。長々とお引き留めして申し訳ありません。魔女殿もお忙しいでしょうし、今回は此処までにしましょう。本日は本当にありがとうございました。」



こうして、ルリはエーリッヒとの面会を終え砦を後にした。












隊長出てきました。

黒髪短髪。エーリッヒ君。

本当は案内の衛兵の名前も出すつもりでしたが、機会を逃してしまいました。

次にルリが街に行くまでに考えておきます。

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